1978年4月2日から1979年8月26日まで 全73話が放映されたテレビアニメ「SF西遊記スタージンガー」のファンクラブです。        





スタジンインタビュー・杉山佳寿子さん編


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なみ蔵さんが既製画を新にトレースし彩色し直したイラスト。2012年1月18日掲示板投稿作品。

このインタビューは、1979年(昭和54年)7月17日 録音会社タバック隣ヒロにてオーロラ姫役の杉山佳寿子さんに インタビューさせていただき、会報Vol.4(79年8月25日発行)に載せたものを再構成したものです。 テキスト作成はにいなさんが担当して下さいました。

杉山佳寿子さんインタビュー
昭和54年7月17日 録音会社タバック隣ヒロにて

・オーロラ姫ってジョーゴやハッカのファンからは、どのように思われているみたいですか?

―他のジョーゴやハッカのファンの方は、あんなの弱々しくて、にくたらしいって言うの。
すぐにジョーゴさんとかハッカさんとか無差別に呼ぶでしょう。だからはっきりしろって。
ほんとうは誰が好きなんだって。フフフ…本当ねー。


・みんな平等に扱ってくれているんじゃないかなー。
 でも呼ぶ時に絶対に 「クーゴさん、ジョーゴさん、ハッカさん」でしょう。


―あれね、順番なのよ。必ず決まっているんです。
いつかね、順番間違えて呼んだら録り直しになっちゃったの。


・そういうこともあるんですね。

―そう、やっぱりいつもの順番で呼んでくださいって。


・ギャラクシーブーメランを見て、みんな真っ青になってました。
 おーおー1人でがんばっちゃって!とか声が飛んだりして…。


―一同爆笑


・いつの間にあんな服に変わったんやー、とかね。

―PART2からやー、なんちゃってね。


・スカートの方が可愛らしくてよかったのにとか、いろいろ声があったんです けれど。

―ああいう形になったんだけどね。あの姿も結構エロっぽくて良いって声もあるのね。


・えっ〜

―股のところに食いこんでるみたいでね。


・そうそう、キャ〜ッ

―それが良いという人もいるのよ。


・ああいうキャラクターって今までにないタイプだし。

―つまりすごく弱々しくてね、ジュンなんかとは正反対ね。


・頼られているみたいなところがいいのかな。

―そしたら一貫性がないなんて言われたのよ。
強い女性をやったかと思うと、こんな弱々しい女性をやったりね。
でも役者なんだから、いろんな役をやれていいんじゃないかと思うの。


・ピコリーノの冒険(日本アニメ)のあひるのジーナ、あれはおもしろかったです。

―あれは楽しかったわ。ピッコリーノ♪なーんてね。ああいうのが私、一番合っているわけ。


・一番好きなキャラクターって何ですか?

―そうね。私、分裂症みたいだけどみんな好きなのね。
やっていると最初嫌いな役だなって思っても、しばらくやっているうちにすごく好きになっちゃうのね。 それで、これ、これ、これだけよって言えなくって、キリカとかナイーダとかゲストキャラクターだって全部混同しちゃうくらい好きなわけ。
ハイジなんかは私にとって、いろんな意味でチャンスであった作品だから思い出に残るって意味では大好きだけど、ガッチャマンだって、もちろんオーロラ姫だって好きよ。
どうしよう、ほんとに困っちゃうなー。


・オーロラ姫というキャラクターについて。

―月の惑星を脱出して、その後キティ博士に大事に育てられて、あの年になるまで、とてもそんな自分がギャラクシーエネルギーを持つ超能力者だなんて思ってもみなかったじゃない。もう蝶よ花よと育てられて幸せな育ち方をしたわけね。だからやっぱり世間知らずっていうのかな、一般的、男の人についても知らないし、つまり彼女のああいった弱さっていうのは、知らない無知さからくると思うのよね。

「キャーッ、クーゴさん、ジョーゴさん、ハッカさん!」なんていつも呼んでいるけれど、あれは甘えではなくて本当に困っちゃうわけね。何にもできなくなっちゃうわけ。 みんながコスモス号が壊れて直している時も、一生懸命自分も手伝おうとするわけよね。よくいるじゃない、そういう人。それで、だけど「それやって」って言われても「あっこれですね…」って手伝うと、またその後でジョーゴやハッカが直さなくちゃならなくなり二重手間になっちゃうわけ。
知らないがためについ頼ってしまうみたいなところがあると思うの。

でもいつもね、しっかりしなくちゃいけない、私はみんなに迷惑をかけちゃいけないって思っているんだけど、それがどうしてもできない女の人だと思うのよ。そういうつもりでやっているんだけど…どうかしら?


・そういうつもりで見ています!(笑)

―わあ、ありがとう!


・やっぱり最初の頃と今とでは全然違いますか?

―やっぱりね、私の性格がわりと下町的っていうのかな、あんまり「そうでございます」とか、ああいう姫調の言葉をしゃべらないでしょう。普段でもそんでねーとか、おれよーとか(笑)わりとどっちかっていうと言葉が悪い方なのねー。だから最初そういう言葉にものすごく抵抗があって「そうですね」って優しく言うとか、語尾に「ね…」をつけたり、「いいえ違います」とか、そういうのがすごく難しくて、そういう意味でやっぱり苦労しました。


・尊敬する役者さんは、どなたですか?

―そうね。困ったなあ。あの人って言うとあの人が困るだろうし、あの人の名前あげるとあの人が怒るだろうし、困っちゃうな。本当に私より上手い役者さんは全部尊敬しております。


・アニメは見ますか?

―すごく好きよ。アニメでなくマンガも大好きなの。少年サンデーもビッグコミック読んでいるし、少年マガジンとかジャンプも読んでいるしね。大人の雑誌ではいろいろあるだろうけど、ビッグコミックは毎週ずっとね。オリジナルも読んでいるし全部読んでいるわよ。すごーくマンガ好きなの。 テレビのアニメは時間的に余裕がないから、全部見られないなあ。 ちょうどアニメは6時台から7時台でしょう。その頃は仕事しているから毎日ビデオセットしておくわけにはいかないわねー。前に何かの雑誌で言ったけど、銀河鉄道999とか…すごく好きで見られる限り見たりしています。 とにかくアニメもマンガも大好きです。


・役者さんになった動機は何ですか?

―俳優さんになった動機はね、いろんな、今生活している世界よりも、もっと広い、外国人にもなれるし、たとえば昔の明治時代とか江戸時代とか、どんどんさかのぼった人間にもなれるし、シェークスピアの時代にも生きられるし、いろんなものに扮することが出来る。 たとえば声だけでいけば、ああいうアヒルも出来るし、イルカも出来るし、ゲジゲジも出来るし、ウハハハ…舞台だと目の前で観客を泣かせたり笑わせたり出来る面白さじゃないかなー(笑)そういう歓びみたいなものでやっているんだと思います。


・オーロラ姫、003(フランソワーズ・アルヌール)、白鳥のジュンの役作りについて、同じような年令で大変だと思うんですけど…。

―うん、そうなのよね。でも結局ね、声は変えているつもりでも、結局変わらないのよね。1つしかないのよ。声なんてね。 もっと年令の違う男の子とか女の子とか動物の声だったら作れるけれど、ああいう同じようなキャラクター設定っていうのかな。戦う戦士っていう役でしょう、3人とも。だから声を変えてっていうのは、やっぱりもう無理だから、性格づけみたいなものを、ちょっと変えているつもりでやっているんだけど…。オーロラ姫っていうのは、みんなもよく知っているけれども、優しくて弱くてもう誰かいないとだめで、ああいうお姫様みたいな役柄でしょう。

ジュンは勝気で男勝りで、男の人よりもメカニックに強くて、頭も切れるし、もうどんどん先頭に立って戦っていく。 で、フランソワーズっていうのはね、自分の与えられている能力っていうのが目と耳しかないわけでしょ。だから直接ぶつかってワッ!ってやるには弱いわけよね。ジュンのクールでドライで、パッと割り切った行動的なのに比べて、 フランソワーズっていうのは、どうしても自分の悲しみとかといったもので、ひっかかるみたいな、そういう女性でありたいと思うんだなー。 なんとかその性格づけで似ないようにしているんですけど、難しいわねー。


・じゃあ杉山さんが変えているんじゃなくて、聞いている私達が変わっているように聞こえるんだ。アルヌールとジュンなんてわりと近そうだけど全然違うし、それだけ杉山さんが頑張っていらっしゃるんだ。

―いやいやそう聞こえれば、もう大変嬉しいです!


・ジャングル黒ベエのシシオくんみたいな三枚目の役は、あれが初めてだったんですか?

―えーとね。「ウメ星デンカ」っていうのもやりましたよ。


・ああ、歌も歌われたでしょう。

―はい(笑)今やっているNHKのね前は「ワンツードン」っていう番組をやっていたんだけど、今は「うたってGO!」って立川澄人さんとラブリーズが出演している小学校2年生の音楽番組がありまして、その中で茶々丸っていう男の子をやっています。茶々丸が歌うんですねー、これが!


・あのジーナみたいなやつじゃないんですか?

―そうそう、あれの男版みたいなやつでね。暇があったら見てください。


・そういう三枚目的なキャラクターについて、何か苦労談でもありましたら…。

―うん。何でも初めのうちはそういう新しいキャラクターっていうのは、苦労しますね。


・じゃあロボコンに出て来た赤ちゃんの役なんかはどうですか?本当ににくたらしく見させていただきましたけど。

―ああいう役は得意なのよ(笑)すごーく、のっちゃうわけ。


・やっぱりー!

―うん。


・やっぱり¬ってことはないか…。

―一同爆笑


・ハイジのヒットをどう思いますか?

―あれは当然です。絵にも時間がかかっているし、録音にも時間がかかってい るし、別にそれだから良い作品っていうわけじゃないけれど、本がやっぱりす ごく良かったわね。佐々木守さんってね、TVドラマを書いている方です。 他の番組にも素晴らしい脚本家はいるんだけど、ハイジのヒットした原因の一つはこの脚本にあるんじゃないかな。 アニメの脚本っていうのは、セリフが飛んじゃったりとかね、中には会話出来ないように書かれているものもあるわけ。…これ日本語かなー?なんてね。

ところがハイジにはそういった部分がまったくなくて、本当にリアルでその場でおじいさんとか、ペーターが話しているように、子供が本当にそう考えるように書かれていたっていう脚本の素晴らしさ。 それからやっぱりベストキャスティングじゃなかったのかな。映画の方はちょっと時間的問題なんかあって、お互いスケジュール的に合わなくてね。 違うキャスティングになってしまったんだけど、映画もTVもどちらも良かったわ。


・あれは録音の時、絵は出来ていたんですか?

―いいえ、出来ていませんでしたけどね。やっぱりあの頃ああいう文芸路線っ て初めてだったでしょ。やたら怪獣ものなんかが多かった頃で、こういう素晴 らしいアルプスみたいなところで育っているハイジみたいな自然児をみんなに 見せてあげようっていう欲求っていうのがすごく強くて、みんながそういう気 持ちだったんじゃないかな。だから、こういうすべてが一致した時の作品って いうのは、たとえばこれがヒットしなくても、見た人の心に感動を呼んだと思 うな。


・SFは好きですか?

―はい、好きですよ。


・今度スタージンガーが終わってから、アーサー王子っていう名作路線に切り替わるんだそうです。でも勝田さんなら、ひと味違ったものになるんじゃないかと思うんです。魔法使いなんかも出て来るんだそうですよ。

―私ぜひ魔法使いやりたいなー。 私そういうの、上手いと思うよ。きっと!(笑)


・勝田さんといえば、ダイザーやダンガードをすぐ思い出すんですけど、 キリカやナイーダ、それにノエル、とってもいい役でしたね。出来ることなら死なないで、ずーっと出てきて欲しかった。

―うん。生きていたら本当にいいけど、でも一番美しい時にああやって死んでいけるなんて、羨ましい限りね。私、本当は10代で死ぬはずだったんだけど死ねなくて、20代で死ぬはずだったんだけど死ねなくて、まだ生き残ってるよ。美人薄命で、もうそろそろ死なないと、美人のワクから、はずれちゃうよ。


・でもアーサー王子で魔法使いの役をやってもらうまでは、やっぱり死んでもらっちゃ困りますよ!

―そうね。アハハハ…。


・勝田さん、それじゃあ杉山さんにアテてもらおうかなーなんて思ったかもしれない。(魔法使いの話題のあと、突然勝田さんが登場して、杉山さんが魔法使いをやりたいなーなんて言っていたのを聞いていったのです)

―だったらいいな。


・ではこのへんでPART1を終えて、オーロラ姫の思い出なぞありましたら。

―やっぱり一番面白かったのは、二役をやった時があったでしょう。あれは面白かったな。あれはみんな面白がってね、ゲラゲラゲラゲラ笑いながらやったのよ。みんな爆笑でね。


・スタージンガーについて何か思われることは?

―とっても楽しいと思って。まあ宇宙であんなこと起こりえない…とかそんなこと考えたらキリがないけどね。でも、そういう考え方を飛ばしちゃっていいじゃない。3人の戦士が、サイボーグだけど人間の心を持ちながら宇宙を旅するってのは、やっぱりロマンチックだしね。面白いと思って。大変に思い出に残る作品になると思います。


・PART1の最終回はどうでした?

―いやあー私もあれで終わるかと思ったら、次の週からPART2になって、音楽がいろいろ変ってたのよねー。私だけ全然知らなくてね。


・こわ〜い。でもあれだけ凄い最終回なんだから、PART2の最終回も楽しみですね。

―私もそれが楽しみなんだー。


・でもあの4人どうなっちゃうんだろ?一緒に暮らすのかな。今日はクーゴさん、明日はハッカさん、明後日はジョーゴさんて。

―つるしあげられるよ、私は!

・クーゴみたいに分身を作ってもらえればいいんじゃないかな。それにしても 今から楽しみですね。

―本当、私もとっても楽しみです。

<インタビュー思い出話>
富山さんのインタビューに引き続き、スタージンガーFCの会員にいなさんがタイプして下さって35年ぶりに陽の目を見る事になったオーロラ姫の声の出演をされていた杉山佳寿子さんのインタビューをお届けしました。にいなさん今回もこれだけの文字数を起こして下さって本当にありがとうございました。ご協力感謝致します。

今読み直してみると富山さんのインタビューの時と同じでバカな事聞いてますねえ。この時は友人の岩崎さんとMOMOちゃんといっしょにインタビューさせて戴いたんですが、こんなにため口だったとは!!なにぶんにもまだ10代で、自分では礼儀等わきまえていたつもりでしたが…いや〜本当に赤面ものですね。これは…。杉山さん、若気の至りとは言え、失礼の数々、本当に申し訳ありませんでした。(土下座してます!)

このインタビューのエピソードで覚えている事と言うと、他の方の時はカセットプレーヤーで録音して聞き取ったものを文字に起こし、会誌にしていたのですが、杉山さんだけは、文字に起こしたものをチェックしたいとおっしゃいまして、チェックを戴いてから会誌にした憶えがあります。たいへんしっかりした方で、どちらかと言うとご本人はガチャマンのジュンタイプの方なんだなあと感じました。

スタージンガーだけでなく、杉山さんの役作りやハイジの裏話など聞けたたいへんな貴重なインタビューでした。2014.11.12. <マクノスケ@管理人>





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