「キズ」 作・さつき
何回も
何回も
何回も
何回も
目の前で どうすることも出来ずに 大事なものを失ってきた
サイボケーションしてからだって それは変わらない 少しも
よく
自分がモッテイルと 思う
よく
理想だ、なんて言っていられると 思う
でも
生きていくには
生きていくには
それしかない
「自分の弱さ」を認めるには
深すぎる 傷
「同じ傷」 作・みなこ
お前の背中にいつもうっすらと
滲んで見えたその傷
お前はどこか俺に似ていて
時々胸が痛かった
抑えようとして
それが浮かび出てしまう
切なさがたまらない
俺の力で癒せるとしたら
ただひたすら祈ること
それしか出来ない俺が
はがゆくて
頭を抱えている
お前がそれを見抜いていたかどうか
今はもうわからない
●2003・03・06更新
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