イラスト・南十字あたる
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「痛・・・。」
久しぶりに無礼講で騒いだ。
そして。眼が覚めれば、電磁波等が遮断されてしまう特殊材の監獄だ。
武器は・・・なし。当たり前か。
電磁剣の心配よりも記憶の中には、ガリウス星にいた頃を思い出すような
後味が残っている、
平和だった頃の。・・楽しかったのだ、と感覚のどこかが、言っている・・。
(楽しんでる場合か・・。捕らえられたというのに。)自嘲的な笑みがもれる。
「フェイはどうなったろう?」
ベラミスは、まだ虚ろな頭をたたき起こす。
「・・したたかだな、ギリア。」
だんだん思考が戻ってくる。
そのしたたかさゆえに、最前線を任され、そのしたたかさゆえに、
独自にオーロラのギャラクシーエネルギーを狙っているとラセツに
怪しまれることになったのだ。
ベラミスが乗り込んだ訳など先刻承知・・・。
しかし、まだ断定したわけでははいのに、
これでは自ら謀反を暴露するようなものだ。
「ご気分は、いかがですか?」
サックリと声をかけられ振り向くと、
天井の一角にくつろいだ姿勢のギリアが映し出されている。
こちらの動きもお見通し、と言いたげだ。
「ベラミス様。隠すつもりは毛頭ありません。
腹を割りましょう。・・・クイーンラセツは、間違っています。」
これには、ベラミスも瞬間、返す言葉がない。
ギリアは更に鋭い洞察を見せた。
「ベラミス様もお気づきなのでしょう?でなければ、
読まれていると知っていて、宴会の席をともにするとは思えません。」
「私はクイーンラセツに、今回は、従っているまでだ。」
「あははは・・!だから、ベラミス様は好きなのですよ!」
「フェイは無事か!?」
「何もしてやしません。彼女は優秀です。
・・ベラミス様、手を組みましょう。
ラセツにギャラクシーエネルギーを渡してはいけない気がします。」
語尾がくぐもった。
「弱気になったな・・?」
「ええ。私とて、迷っています。」なんなのだろう?この正直さは・・・。
ベラミスは逆に戸惑いを覚えた。
少し、ギリアの話を聞いてみたい、
知らずに腰掛けていた無機質なベッドから身を乗り出していた。
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スタジントップページへ戻る ●2002・9・24更新