1978年4月2日から1979年8月26日まで 全73話が放映されたテレビアニメ「SF西遊記スタージンガー」のファンクラブです。        



スタジン小説 その9

「別れ」                               作・さつき



イラスト・南十字あたる

                            <3/9> 一方、ラセツは痺れを切らしていた。謀反のうわさがあるギリア基地へ 真意を確かめるべく送ったベラミスから、まったく何の連絡もない。 ラセツ軍には内密にしているため、 彼女はキング・ギューマに助けを請うことにした。 ところが普段からベラミスを小生意気と嫌っているギューマが この機会を利用しないわけがない。ラセツからの通信を切ると、 高笑いで言い放った。 「わはは・・!!絶好のチャンスだ!ガイマよ、 このわしに逆らうキャツを始末してくれるぞ!!行けぃ!!」 「はっ!!」 これまた不遜な輝きを眼に宿らせたプリンス・ガイマが、出陣した。 クイーン・コスモス号は悠然と宇宙を駆けている。 が、・・・いよいよ悪の本拠地が近づいている。 緊迫感が張り付くそのメインピットに1人立たずむオーロラ姫。 「ひめぇ〜。そんなに怖い顔しなくたって大丈夫だよ、 おれ達がついてるんだからさぁ。」 いつの間に来たのかハッカのにこにこ顔がすぐ眼の前にあった。 手には大きなトレイにいっぱいのくるみのバウンドケーキ。 そして人数分のオレンジ・ペコ。 「あらあら、ハッカさん。」 思わず笑みがこぼれると、 遠くで安堵のため息をもらす2人の男達が視界に入る。 オーロラは彼らの優しさに改めて感謝するのと同時に 自分の使命をまた、深く自覚する。 コスモス号の中はしばし春が来たようだった。 そこへ! 「姫!S・O・Sだ!304−k!」 「軌道からは遠いな・・。」 「行ってあげましょう。助けを呼んでいるのです。」 「また首をつっこむんだから・・。」 「ハッカさん!!何か!?」 「いいえ〜!!喜んで向かいます〜。進路変更、304−k!」 そうして、コスモス号は、旋回した。 ギリアが罠をはる、あの樹海へ。 <次のページ 4/9> スタジントップページへ戻る       ●2002・9・24更新