イラスト・南十字あたる
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一方、ラセツは痺れを切らしていた。謀反のうわさがあるギリア基地へ
真意を確かめるべく送ったベラミスから、まったく何の連絡もない。
ラセツ軍には内密にしているため、
彼女はキング・ギューマに助けを請うことにした。
ところが普段からベラミスを小生意気と嫌っているギューマが
この機会を利用しないわけがない。ラセツからの通信を切ると、
高笑いで言い放った。
「わはは・・!!絶好のチャンスだ!ガイマよ、
このわしに逆らうキャツを始末してくれるぞ!!行けぃ!!」
「はっ!!」
これまた不遜な輝きを眼に宿らせたプリンス・ガイマが、出陣した。
クイーン・コスモス号は悠然と宇宙を駆けている。
が、・・・いよいよ悪の本拠地が近づいている。
緊迫感が張り付くそのメインピットに1人立たずむオーロラ姫。
「ひめぇ〜。そんなに怖い顔しなくたって大丈夫だよ、
おれ達がついてるんだからさぁ。」
いつの間に来たのかハッカのにこにこ顔がすぐ眼の前にあった。
手には大きなトレイにいっぱいのくるみのバウンドケーキ。
そして人数分のオレンジ・ペコ。
「あらあら、ハッカさん。」
思わず笑みがこぼれると、
遠くで安堵のため息をもらす2人の男達が視界に入る。
オーロラは彼らの優しさに改めて感謝するのと同時に
自分の使命をまた、深く自覚する。
コスモス号の中はしばし春が来たようだった。
そこへ!
「姫!S・O・Sだ!304−k!」
「軌道からは遠いな・・。」
「行ってあげましょう。助けを呼んでいるのです。」
「また首をつっこむんだから・・。」
「ハッカさん!!何か!?」
「いいえ〜!!喜んで向かいます〜。進路変更、304−k!」
そうして、コスモス号は、旋回した。
ギリアが罠をはる、あの樹海へ。
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スタジントップページへ戻る ●2002・9・24更新