イラスト・南十字あたる
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ベラミスは考えていた。ギリアの言うことは自分のこの頃の懸念、
ズバリそのものだ。
「クイーン・ラセツは己の欲望のみを追っているのではないか。」
いや、殆ど、そうに間違いない。・・・
けれども、ベラミスには彼女を見捨てられない、理由があった。
母に、似ているのだ。
今はない母星、ガリウス。愛してやまないのに、
永遠に失ってしまった人たち。
サイボケーションすることも迷わなかった、
その星、その人々が守れるのなら!それでも!!・・
守りきれなかった愛しい人たち。
・・・気が付くと・・・また、自分の無力さを、見つめている。
「わかって、いるんだ。」
呟きが吐息のようにこぼれる。
何が!?一体、私に何がわかっているというんだ!?
吠えたいような後悔、と、し続けてきた自問自答。
エンドレスのそれ。
(立ち上がれなければ。ここから。)
いつまでも蹲っているなんて嫌だし、
彼女の持って生まれた魂と反している。
そうやって、彼女は何度も立ち上がって来た。
・・・ きっと自分で思う以上に、何度も。
(・・もう少しだけ、様子を見よう。)
それが、今出せるただ1つの 答えだった。
「なんだ、なんだぁ!?このジャングルは!?
ジョーゴ、本当にここからS.O.Sが出てるのか!?」
「生きているんだ!こいつらにとって生命体はみんなエサだ!」
「ブードバルカン!!」
「やめろ ハッカ!無駄だ、こいつら・・喜んでる。」
クーゴが振りかざしたアストロ棒の力がほんのわずか緩んだ、その時。
「きゃあああ!!ハッカさん、ジョーゴさん!クーゴさん!!」
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スタジントップページへ戻る ●2002・9・24更新