1978年4月2日から1979年8月26日まで 全73話が放映されたテレビアニメ「SF西遊記スタージンガー」のファンクラブです。        



スタジン小説 その9

「別れ」                               作・さつき



イラスト・南十字あたる

                            <4/9> ベラミスは考えていた。ギリアの言うことは自分のこの頃の懸念、 ズバリそのものだ。 「クイーン・ラセツは己の欲望のみを追っているのではないか。」 いや、殆ど、そうに間違いない。・・・ けれども、ベラミスには彼女を見捨てられない、理由があった。 母に、似ているのだ。 今はない母星、ガリウス。愛してやまないのに、 永遠に失ってしまった人たち。 サイボケーションすることも迷わなかった、 その星、その人々が守れるのなら!それでも!!・・ 守りきれなかった愛しい人たち。 ・・・気が付くと・・・また、自分の無力さを、見つめている。 「わかって、いるんだ。」 呟きが吐息のようにこぼれる。 何が!?一体、私に何がわかっているというんだ!? 吠えたいような後悔、と、し続けてきた自問自答。 エンドレスのそれ。 (立ち上がれなければ。ここから。) いつまでも蹲っているなんて嫌だし、 彼女の持って生まれた魂と反している。 そうやって、彼女は何度も立ち上がって来た。 ・・・ きっと自分で思う以上に、何度も。 (・・もう少しだけ、様子を見よう。) それが、今出せるただ1つの 答えだった。 「なんだ、なんだぁ!?このジャングルは!? ジョーゴ、本当にここからS.O.Sが出てるのか!?」 「生きているんだ!こいつらにとって生命体はみんなエサだ!」 「ブードバルカン!!」 「やめろ ハッカ!無駄だ、こいつら・・喜んでる。」 クーゴが振りかざしたアストロ棒の力がほんのわずか緩んだ、その時。 「きゃあああ!!ハッカさん、ジョーゴさん!クーゴさん!!」 <次のページ 5/9> スタジントップページへ戻る       ●2002・9・24更新