1978年4月2日から1979年8月26日まで 全73話が放映されたテレビアニメ「SF西遊記スタージンガー」のファンクラブです。        



スタジン小説 その9

「別れ」                               作・さつき



イラスト・南十字あたる

                            <7/9> 振り向くと、それが光りのように浮かんでいた、 ・・・味方の大型戦闘艦が。 「!!・・ベラミス様!」 これ以後、ギリアは自ら、完全にベラミスの配下に入る。 「フェイはどうした!?」 艦に収容したギリア達の中に、フェイは居なかった。 ベラミスは動揺を隠せない。 「一緒じゃなかったのか!?」 「彼女は戦力になります。・・戦闘機を1機、任せました。」 「何だと!?殆ど見えていないんだぞ!わからなかったのか!?」 ギリアに殴りかかりそうなベラミスを、咄嗟にクーゴが押さえる。 「ベラミス!待てって!」 「知りませんでした・・・。」うなだれて言うギリア。 嘘を付いたことが心に痛い。 (見えてなかったなんて・・。 そんな様子はみじんも出さなかった・・。) その姿にベラミスもはっとした。 「・・悪かった・・・。」 クーゴが腕をほどく。 「それで、姫は?」 1番聞きたかったことを口にしたのはジョーゴ。 しかしクーゴがその横で身を堅くして聞き入ったのが、すぐ判る。 「基地内のどこかに。でも、まだ発見できません。」 「総攻撃をかける。いいな?クーゴ。」 フェイが死んだとは思いたくない、 だが、もしそうなら・・ギューマ軍だろうが誰だろうが、許しはしない。 「わかった。だが、ベラミス。 俺たちの目的は姫を助けることだ、無駄な殺し合いは・・。」 「悠長だな。」 ベラミスはそれ以上は何も言わず、窓の外へ視線を逸らした。 それが、ギューマやラセツと、オーロラたちの違いなのだ。 「うわぁ!!見ろ!!すごい数だ!!」 レーダー近くに居たハッカが叫び声を上げた。 「先手を打たれたか!?全機、出撃!ギューマ軍団を迎え撃て! ギリア、戦闘指揮はおまえに任せる!」 「はっ!」 「クーゴ達と私は134基地へ突入し、オーロラを探し出し奪回する!」 「それから、フェイもだ。」 「!?」 ポンと肩を叩いて、クーゴが続けて言った。「・・生きてるさ、絶対。」 「何ですって!?何故、ラセツ軍がギューマ軍に逆らうのです!?」 ギューマ王からの怒りの報せにラセツは送られた映像に眼を凝らす。 「これは、前線基地のギリア隊です。 ギューマ様、だから申したではありませんか。 あやつらの行動が不審だと!それでベラミスを行かせたのです! これだけハッキリした以上、あれはもうラセツ軍ではございません!!」 「ううむ。では、容赦しなくていいのだな。よく、わかった。」 おもむろに切られた通信機の前でクイーン・ラセツはイライラと、 しかし、どこか心配げに呟いた。 「一体何をしているというの!?ベラミスは!」 (人と人とが何故、憎みあい、戦わねばならないのですか・・・。 やめて下さい!どうか・・!) 祈り続けるオーロラの慈悲の叫びはオーラとなってほとばしり出る。 彼女自身も気付かずにギャラクシーエネルギーが動き出すかのように・・。 「?な・・んだろう。この力は?」 傷つきながらも、撃ち落とされた機体から脱出していたフェイは、 134基地の奥からそれを感じた。惹かれるようにその場所を目指す。 <次のページ 8/9> スタジントップページへ戻る       ●2002・9・24更新