第46話 悲しき外人部隊 1979. 2/18 放映
タイトルコール/杉山加寿子 構成/田村多津夫 脚本/馬嶋満
コスモス号到達地点/アダバ星 登場モンスター/スワン型メカモンスター
キルメス/沢田敏子 シルス/川島千代子
ラブリー星 [注1]でクーゴが少年を助けるために戦ったのを見たベラミスは攻め込めなかった。
城にベラミスを呼び出し「手ぬるい」と叱咤するクィーンラセツ。
「防衛もまた戦(いくさ)の道」[注2]とその場を去るベラミス。
そこへキング・ギューマより通信が入りラセツは「相打ちにさせる」と提案をする。
特殊部隊のキルメス [注3]を招集したラセツはベラミスには内緒だと断っての特別の任務を申しつける。
赤いバラを胸元につけてやりながら「チーフキャプテンの記章のように見えますぞ」
と囁きかけキルメスの心を誘導するラセツ。
クーゴ達は前方に謎のエネルギーの群生帯(
ティボルトゾーン [注4])を発見し
クーゴがひとり探索のためスタークローで出撃する。
探索 [注5]の結果、コスモス号が通過出来ることを確認したクーゴは
コスモス号に連絡を入れ、クローベルトで帰るが
そこへマグネビームを発射して磁力線乱気流を起こそうと
待ち構えるスワン型のメカモンスターに搭乗したキルメスが現れる。
第一作戦として岩に
マグネビームを照射するキルメス[注6]。
一方、母艦に戻り第三基地へ引き返したベラミスに外人部隊の兵士が
面会を求めて来る。それは
ベラミスが目をかけていた少女の兵士シルス[注7]だった。
最前線のレーダー基地に配属されたことを告げるシルス。
「ラセツ星人で固められた特殊部隊になぜ異星人のシルスが配属されたのか」と
キルメスから直々に命を受けたことに疑問をもつベラミスだったが、
「異星人の名を汚さぬよう頑張ります」とけなげに答えるシルスに
ベラミスは自分の胸の星形のペンダントを外し「お前を守ってくれることだろう」と
シルスに掛けてやり「どんなに辛いことがあってもやがて私たちの新しい故郷の星を
作るのだと言う事を忘れぬように」と励ましの言葉を添えるのだった。
クーゴが帰ったコスモス号で群生帯を抜けたクーゴ達の目に前に惑星が見えて来た。
そこはシルスが派遣された最前線のアダバ星レーザー基地だった。
コスモス号がやってくるのをレーダーで知ったシルスは司令基地へ連絡としようとしたが
間髪入れずにキルメスのスワン型メカモンスターによって爆撃され外に逃げたシルスは
爆撃に巻き込まれ命を落としてしまう。
こうして第2作戦を遂行したキルメスはアダバ星の海面に沈み姿を隠す。
ベラミスの母艦にラセツから通信が入り
「前線基地がクーゴ達によって破壊され
シルスもクーゴに殺された」[注8]と知らされる。
事実を確かめるために自分の戦闘機でアダバ星へ向かうベラミス。
罠とも知らず戦火に燃える基地に助けに向かうコスモス号。
クーゴが機外に出てみると炎の中にシルスの遺体を発見する。
だがジョーゴから敵の飛行艇が近づいているのを聞き引き上げることにするが
そこにはクーゴのアストロボーと
足跡の痕跡[注9]が残ったのだった。
クーゴとと入れ違いにやって来たベラミスはシルスの遺体を見て
クーゴが犯人と思い込みラブリー星での出来事は自分の勘違いであったと後悔する。
シルスの遺体を静かなところに移し、手を組み合わせて祈ったベラミスは
シルスにやったペンダントを片手にクーゴへの復讐を誓うのだった。
後方からやって来たベラミスの飛行艇にアダバ星に戻って戦えと言われるクーゴ達。
振り切ろうとしたが、エネルギー帯の乱気流の影響で電子系統が故障し逃げられそうにもない。
アダバ星に戻って修理することになったコスモス号だったがクーゴはベラミスと話し合おうと
ひとり外に飛び出していった。シルスの遺体の側で対峙するクーゴとベラミス。
基地を攻撃しシルスを殺したのはお前だと決闘を迫るベラミスに最初は手を出さないでいる
クーゴだったが、ベラミスの鬼気迫る攻撃に戦わざるを得なくなってしまう。
雷が落ち倒れたクーゴにとどめを刺そうとしたベラミスの背後から
突然キルメスのスワン型メカモンスターが浮上しふたりをミサイルで攻撃し始める。
「お前まで狙って攻撃したぞ」と言うクーゴの言葉に愕然とするベラミス。
攻撃の手を緩めないキルメスにやられそうになるクーゴだったが間一髪でジョーゴとハッカの加勢が入る。
3人でメカモンスターと戦うクーゴ達。
クーゴがアイアンキッターでメカモンスターを真っ二つにし、外に投げ出された
キルメスは身体を激しく打って死ぬ。ラセツに授けられたバラが宙に舞い空しく散っていく。
キルメスがここにいることが理解できないベラミス。
クーゴ達はアダバ星を後にした。
メカだと思ったら操縦士が乗っていた[注10]と許しを請うクーゴ達。
それを聞いた姫は「知らなかったから仕方のないことでしょう。きっと天の裁きだったのかもしれません」
とクーゴ達を許す。
ベラミスもアダバ星を後にする。
「勝つためとは言えあまりにも無差別すぎる。」
そう心の中でつぶやきながら…シルスのことを想いペンダントを飛行艇から
投げるとそこにはベラミスが弔った
シルスの墓[注11]があった。
ペンダントは一筋の流れ星のように空を横切り消えて行った。