●のほほん映画鑑賞備忘録 2003年上半期

マクノスケ、マクタロウが2003年上半期(1月〜6月)に見た映画19本の感想をアップしています。
ページの上のものが新しく下へ行く程古くなっています。
2003年下半期(7月〜12月)はこちらからどうぞ!→のほほん映画鑑賞備忘録 2003年下半期
全てのタイトルをご覧になりたい方はこちらからどうぞ!→INDEX
尚、基本的にねたばれしていますので、未見の方は御注意下さい。

2003年 6月 ザ・コア/スパイ・ゾルゲ/二重スパイ/マトリックス・リローデッド
        5月 ハンテッド/サラマンダー/X−MEN2
        4月 ドリームキャッチャー/ネメシス・S.T.X
        3月 スパイダー・少年は蜘蛛にキスをする/キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
              007ダイアナザーデイ/リロアンドスティッチ
        2月 ビロウ/ロード・オブ・ザ・リング二つの塔/ レッド・ドラゴン/ボーン・アイデンティティー
        1月 T.R.Y/オールド・ルーキー




のほほん映画鑑賞備忘録2003.6月
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【2003】|1月2月3月4月5月



マトリックス・リローデッド 2003.06.22.(SUN.) 
予言がほんとうなら戦いのない未来が来る  だから戦える  だからこそ、死ねるのだ

監督・脚本・アンディ・ウォシャウスキー&ラリー・ウォシャウスキー 音楽・ドン・ディヴィス
出演・キアヌ・リーブス/キャリー=アン・モス/ヒューゴ・ウィービング/ローレンス・フィッシュバーン
ストーリー・人類最後の都市ザイオンの場所が、ついに人工知能に知られてしまった。 人類滅亡のプログラミング・センティネルズの襲撃まであと72時間。 だが、ネオは自分が人類を救うことが出来るのか苦悩していた…。
■「マトリックス・リローデッド」公式サイト


【マクノスケ】
そもそも私は「マトリックス」の世界観を理解していない… (なぜコンピューターがわざわざ「マトリックス(仮想世界)」を作っているのか… 反乱分子やらなんやらこんな面倒くさいことになるくらいなら、 人間をただ寝むらせておくわけにはいかんのか?)…とか思っているので、 続編にもそんなに期待していなかったのですが、それでもネオの成長やトリニティーとの関係などは気になっておりました。
…が、しかしネオは、自分が何をすべきか悩んでいるとは言え、 戦闘技術(?)の方は成熟期を迎えておりアクション全開!フルスロットル!! トリニティとも終止ラブモードで何回キスしとんのじゃ状態!
(いや、やりたいことはわかるんですが、長いのよね。)
う〜ん。見せ場はアクションシーンしかないのか…って感じなんですが それも前回の方が「マトリックス」という世界を理解し成長してどんどん強くなって行く ネオの姿の方が何倍か素敵だったけどなあ。
(トリニティのバイクテクには惚れ惚れしちゃったんだけど)
ストーリーも単に横道にそれて先に進んでないような気がするし、 第一あのフランス語のおっちゃん一派ってコンピューターのプログラムの何だったのか…よくわかってない私。
(結局よくわかっていないだけなのかしら?)

【マクタロウ】
1作目を初めて観たときは「おお、カッコいいじゃん」と思ったんだけど、故あって2回目を観たら 「ああ、もういいです」って気持ちになっちゃいました。 そんだもんで、今作も映像的にどれだけ「カッコいいか」という所にしか興味が無かったんです。 さて、観終わっての感想はと言うと「飽きた」です。
特にネオのカンフーアクションは単調で、前作のような快感は無い。「ネオ対100人スミス」の シーンなど、後ろの方のスミスは手持ちぶさたのように見えて、コメディーかと思ってしまったよ。 今回の売り(?)である高速道路のシーンにしても何度も観たくなるほどの興奮は無く、残念。
ラスト、現実世界でも力を発揮し、意識不明に陥るネオ。これは一体どういうことなのか?
帰り道、かみさんと話していて、ふと「ループ」を思いだし「これだ!!」と。
「ループ」は鈴木光司氏の小説。「リング」シリーズの完結編です。 「リング」「らせん」の世界は現実世界のシミュレーションであって、すべてコンピューターの中の 出来事。貞子は「バグ」で、なぜか現実世界にも謎の病気として影響を与え始めている。 主人公は「バグ」を修正し現実世界を救うために、仮想現実の中へ入っていく。 つまり、ザイオンも仮想現実の中ってことで、ネオは「本当の」現実世界から送り込まれたってオチ。
でも、私のようなシロウトが思いつくオチにはならないよね。
きっと…。



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二重スパイ 2003.06.21.(SAT.) 
愛に死ぬか。祖国に死ぬか。

監督・キム・ヒョンジョン「火山高」 音楽・ミヒャエル・シュタウダッハー
出演・ハン・ソッキュ「シュリ」/コ・ソヨン「エンジェル・スノー」
ストーリー・亡命を装い韓国に潜入した北朝鮮のスパイとラジオのDJをしている女性スパイ。 任務遂行をしながらも惹かれあって行くふたりだったが、やがてある事件をきっかけに 物語は急展開して行く…。
■「二重スパイ」公式サイト




【マクノスケ】
映画は脱北者を装い韓国の諜報機関部でスパイ活動を密かに続ける主人公と 韓国に生まれながら北朝鮮のスパイとして動く女性の愛を軸に描かれるのですが、 まず主演のハン・ソッキュが「シュリ」以上の熱演で見せてくれてこれが◎。
スパイものということで、もっとアクションシーンが多いのかと思いきや、 スパイとしての主人公の葛藤や人間性に趣が置かれており、どちらかと言うと恋愛ドラマの要素が濃かったです。
登場人物の悲哀やラストの展開など今年見たスパイ映画のどれよりもよかったのですが、 諜報機関の局長の心理が、ちょこっと不明…。敵国のスパイだった男を諜報部で働らかせるということは 「むろん泳がせてるんだろう」と思っていたら、本気で彼を信じていたんですよね。 あんなすごいリンチを命令している人が主人公の何に動かされたのか謎?

【マクタロウ】
二週続けてのスパイ映画でした。出来はと言えば、こちらの方が良かったです。
「シュリ」のような派手さは無いけど、その分ドラマをじっくりと描いていて、好感を覚えました。
それにしても、スパイってのは嫌な「仕事」ですな。信頼を得なければ仕事にならず、 更にその 信頼を裏切らなければ仕事にならない。とても私にゃ勤まりません。
(非現実的スパイ「007」だったら、一度は体験してもいいかもな)
しかし、企画(アイディア)、脚本が良ければ日本でも、 このような作品は作れるのではないかと 思うと、悔しい思いもあります。 昨年の「KT」がいい線いってましたが。
(いや、私が観たい作品が無いだけかも。「日本映画は現状でもイケてる」と言う方もいるでしょう。)



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スパイ・ゾルゲ 2003.06.14.(SAT.) 
正義がその男を怪物にした

監督・篠田正浩「梟の城」「瀬戸内少年野球団」「少年時代」「写楽」
音楽・池辺晋一朗「影武者」「夢」「未来少年コナン」、N響アワー司会
出演・イアン・グレン(トゥームレイダー)/本木雅弘/椎名桔平/ 上川降也/永澤俊矢/葉月里緒菜/小雪/夏川結衣/榎木孝明
ストーリー・第二次世界大戦中、日本に潜入しスパイ活動を行っていたソ連のスパイ、ゾルゲ。 彼に協力するジャーナリスト尾崎秀実。彼らの真意はどこにあったのか?篠田監督が引退をかけて挑んだ意欲作!
■「スパイ・ゾルゲ」公式サイト



【マクノスケ】
第二次世界大戦中、日本でソ連のスパイとして諜報活動を行っていたリヒャルト・ドルゲを主人公に、 彼の思想に共感し情報を提供した朝日新聞の記者、尾崎秀実(ほつみ)の生き方が描かれて行くのですが、 どちらかというとゾルゲより尾崎に趣きが置かれた展開にいささか戸惑いを覚えました。
かと言って、あくまでも主人公はゾルゲなので、尾崎の描かれ方も中途半端。 これだったら、尾崎の目を通したゾルゲ像を描くか尾崎はあくまでも傍役として描き、 もっとゾルゲの内面的な葛藤を描いた方が見ている人の共感を誘ったと思うのですが…。
音楽を池辺晋一朗が担当していますが、大半が既製曲だったのは残念でした。 なんでも監督の趣味が反映された選曲とのことですが、それでももう少し映画にあった曲を描いて欲しかったです。 しかし各国の軍艦が写る時に、それぞれの国の国歌や軍艦マーチが流れちゃうっていうのは、 あまりにも「まんま」で、どうにかならなかったのかと思いましたが…。

【マクタロウ】
篠田監督、この作品で引退だそうで、それ故に力作であると思います。 しかしまた、それ故か 欲張りすぎた感があります。 私の解釈としては、ゾルゲを狂言回しにして、日華事変、226事件、 太平洋戦争突入という 昭和史を描きたかったのではなかったのかと感じたわけですが、 どうもバランスがよくありません。 どちらかと言うと、昭和史を描く方に重心が寄りすぎているように思います (1シーンだけ登場 する東条英機(竹中直人!!)など、まるっきり必要ないので、 単に「昭和史オールスター映画」を 撮りたかっただけかいな?などと勘ぐってしまったよ)。
もっと(タイトル通り)ゾルゲを中心に描くか、本木演じる尾崎から見たゾルゲを描いた方が 作品に入り込めたように思います。
物語の最後、歴史通りゾルゲは逮捕され、絞首刑となるわけです。
その映像とソ連崩壊時のレーニン像がワイヤーで(首を)吊られ、 台座から下ろされる映像が カットバックで入り「命を懸けて情報を送っていた祖国(と、その思想)の現状」を見せつけ、 歴史(国家)に翻弄されたスパイの悲しさを感じさせて、良い落とし方でした。
と思ったのもつかの間、「ベルリンの壁崩壊」のニュースを観る花子(ゾルゲの彼女)。 そして、その セリフ「今やっと、あなたが目指していたものがわかりました」(大意)。 エンディングは「イマジン」 。
(歌無しだけど、詩の内容が字幕で出る)。
ええ〜!!そうなの?そんなに凄い人物だったの?正直、私は映画からそれを読みとれませんでした (不勉強故、ゾルゲに関する書籍等は読んでいません。あくまで映画の感想ですので、あしからず)。
画的なことを言いますと、どうしてあんなに「CG」が「いかにもCGでございます」って 色、動き なんだろう?
センスが無いのか、技術が無いのか。はたまた両方無いのか?



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ザ・コア 2003.06.08.(SUN.) 
2003年 あなたは地球の終わりを目撃する

監督・ジョン・アミエル「エントラップメント」「コピーキャット」 音楽・クリストファー・ヤング「エントラップメント」 出演・アーロン・エッカート(エリン・ブロコビッチ)ヒラリー・スワンク/チェッキー・カリョ/ブルース・グリーンウッド
ストーリー・異常現象の原因は地球のコアが停止したからだった!コアを再始動するために召集されたその道のスペシャリストが 地下の奥深く危険なミッションに挑む!! ■「ザ・コア」公式サイト



【マクノスケ】
その昔…。とあるスターウォーズのファンサークルに「B級ズ」というグループがありまして、 私、入っていました。麗しき80年代のB級特撮映画を愛する集まりだったんですが、 この映画にその臭いを感じ取ったわたくし。(笑)
しかしながら思ったよりは、しっかりした作りでよかったです。 それぞれのキャラも立っているし、手に汗握るシーンや思わず涙してしまうシーンもありました。 特撮も嫌みなく使われていたように思います。 ただ私がここのところ気になっているブルース・グリーンウッドさんの出演シーンが少なかったのと、 ヒロインのヒラリー・スワンクが、他のキャラにくらべ、キャラ的に成長してなかったのが、ちょっと残念。
そうですねえ。もっともB級と感じたのは、コアが停止してしまう意外な理由かなあ。 そんな昔のSF映画じゃあるまいし…と思ったのは、私だけ?(笑)

【マクタロウ】 予告編を観るに、「B級SF映画」だろうと思ってました。
それは間違っていなかったのですが、思いの外マジメに作られていて楽しめた。
登場人物も(ステレオタイプとは言え)そこそこ描いているし、特撮も迫力とハッタ リが利いていて、なかなか良かった。久しぶりに「ミニチュア魂」を観たね(でも、予 告編以上の画が無いのはイカン)。
演出的には、「地上側(パニック)」と「地底側(主人公達の人間模様)」をもっと うまく絡めてやれば、さらに盛り上がったのではないかと思う。
総論としては「50〜60年代のSF映画を、現在の技術と理屈で作るとこうなる」 といったところでしょうかね(地底からの脱出方法が「地底探検」へのオマージュ (?)だったし)。
そう言えばガキの頃テレビで観た映画で、「地球内部に(何かの実験のために) 核ミサイルを打ち込んだもんで地核が壊れちゃって、終いには地球が真っ二つにな る」作品があったんだけど、どなたか覚えてませんか?



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のほほん映画鑑賞備忘録2003.5月
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【2003】|1月2月3月4月6月



ハンテッド 2003.05.31.(SAT.) 
生き残れるか。

監督・ウィリアム・フリードキン「エクソシスト」「英雄の条件」
音楽・ブライアン・タイラー「ヴァンパイア/黒の十字架」
出演・トミー・リー・ジョーンズ/ベニチオ・デル・トロコニー・ニールセン「グラディエーター」
■「ハンテッド」公式サイト



【マクノスケ】
劇場は「マトリックス」の先行でかなりのにぎわいでしたが、 「ハンテッド」は空き空き…。
しかしながら観客の少なさとは反比例して映画は最高の出来でしたっ!!
「二つの塔」がなかったら今年見た映画の中ではピカイチでしょう!
星取り表があったら、まさに星5つあげたいくらいです。
殺戮マシンと化した特殊工作員のデル・トロを彼の元教官だったトミー・リーが追い詰めて行くのですが、 とにかくふたりのナイフを使った気迫迫るアクションが凄いっ。
デル・トロはまだ少しは若いので納得なんですが、 トミー・リーのあの身体を張ったアクションには本当に圧倒されました。 「追跡者」や「ダブル・ジョパディー」なんて霞んで見えちゃうほど。 デル・トロもただのサイコ野郎とは違った独特の悲哀があるところがまたいいです。
それだからラスト…泣かずにはいられません。
上映1時間半…手に汗握って、ほんまもんのアクション見せてもらって、 ラストにホロリ…やれば出来るんですね!フリードキンッ!! こういう映画、もっと作って下さい。
今のハリウッドにあってこういう映画は本当に貴重です。 あ〜、いいもん見せてもらいましたぁ。


【マクタロウ】
久しぶりに観る「男」の映画であった。そして(心身両方の)「痛み」を感じられる映画も久しぶり であった。
実戦経験こそ無いものの、父から受け継いだサバイバルと殺人の知識を若者にたたき込む教官L.T(トミー・リー・ジョーンズ)。 その教官に暗殺者として教育され、任務のトラウマにより常軌を逸してしまった男ハラム(ベニチオ・デルトロ)。 教官と生徒の関係は父と子に重なる。生徒(息子)は教師(父)の教えを受け継いだが、過酷な任務は彼を狂わせた。
冒頭、引退して自然監察官になり、罠にかかった狼を助け、仕掛けた男をぶちのめす L.T。スコープ付ライフルで狩りをする男達を、自然に対する冒涜だとして惨殺するハラム。 ここで二人が「似て非なる者」であることが描かれる。
「心と体を切り離せば簡単に人は殺せる。心を取り戻すことが難しいのだ」とは、本 編中のセリフ。
心を取り戻せなくなった彼は、自分のルールでしか動かない。「野生」なのだ。 もしもL.Tが実戦で人を殺していたら、彼も心を取り戻せなくなったのか?自分も そうなるという危険性を感じ、恐れと近親憎悪から、救いを求めてきたハラムを避けていたのかもしれない。 最後は自らの手で「息子」を殺さなければならなかった(助けることができなかった)「父」L.Tの気持ちが伝わり、じんわりと泣けてしまった。
ラスト、冒頭で助けた狼が、森を行くのを見るL.T。彼が救うことの出来た「野生」の姿に少しだけ安堵した。
フリードキン監督は、二人の男の戦いを緊張感たっぷりに描き、しかも1時間30分台にまとめてあり素晴らしい。 腐ってもフリードキン(失礼、でも「カーディアン/森は泣いている」の時はホントに腐ってたからさ)。
しかし、それ以上に素晴らしいのが主演の二人。多くのスタントを本人がこなしてい るように思う。 合成ではない、本物のアクション。これ大事です。
おそらく、かなりの訓練を積んだであろうナイフでの格闘は、正にプロフェッショナ ルのそれに見えた。これはさらに大事です。 毎年とは言わないから、2〜3年に1本くらい、このようなアクション映画があると 良いのだがなあ。




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サラマンダー 2003.05.25.(SUN.) 
生き残りたいなら、空だけ見てろ。

監督・ロブ・ボウマン「Xファイルザムービー」
音楽・エドワード・シャルマー「チャーリーズエンジェル」「光の旅人」
出演・マシュー・マコノヒー/クリスチャン・ベール/イザベル・スコルプコ/ジェラルド・バトラー
■「サラマンダー」公式サイト


【マクノスケ】
「Xファイルザムービー」のロブ・ボウマン監督が、 口から火を吐く巨大竜と地上にわずかに残った人間との闘いを描くSF作品。 原題は「REIGN OF FIRE」(=炎の支配)で、 邦題の「サラマンダー」という呼び方は、映画の中では、ほとんどされておらず「ドラゴン」と呼んでいました。
(字幕では何回も使われておりましたが…。)
主役はてっきりマシュー・マコナヘー(←ホントはこういう発音らしい…)だと思っていたら クリスチャン・“太陽の帝国”ベールだったんですねえ。 最近の彼の作品はほとんど見ていないので知らなかったんですが、 トム・クルーズばりのいい男に成長していて、その熱い演技を堪能させてもらいました。 しかし、それより更にいっちゃっていたのが、頭を坊主にしてまで頑張ったマコナヘー。(笑) こってり演技の割には、役が浅いというのか、キャラが立ってないのが、ちょっと残念でした。
スタトレファンの私には、主人公の母親役にボーグクィーンのアリス・クリッジ、 AJ役(要塞で無線を傍受する髭の男)にドクターベシアのアレキサンダー・シディグが出演していて、 それだけでも、おいしいキャステイングだったんですが、 映像的には検討している反面、ストーリーが、いろいろとつっこみどころ満載で、 もうちょっと練った方がよかったんじゃないかと思ってみたりして…。

【マクタロウ】
この作品、一番の不満は「なんで戦車やヘリコプターが正面切ってドラゴンと戦わん のだ」ということです。
いや、私はなんとなく「やらないだろう」と思ってましたから、予想通りと言ってし まえば、それまでなんですが。
せっかく「中世ファンタジー」の世界ではない「現代」を舞台にしたドラゴン映画な のに、しかも戦車、ヘリコプターを出しておきながら、それらと戦わせないのは、サービス 精神又はセンスの欠如としか思えません(あ、予算ってのは置いておいて)。 ドラゴンは何百といるわけだから、最後の「ボス(雄)」は、人間が素手に近い形で 倒すとしても、1匹か2匹は近代兵器で倒してほしかったよなあ。
と、言って置いてナンですが、それやっちゃうと作品の矛盾がバレバレになってしまうんですね (いや、やらなくてもバレバレですが)。 物語の中で登場人物が「ドラゴンは生き物なんだ」と言い、事実1匹は捕鯨に使うよ うなモリで倒されてしまうわけですよ。
それなら、通常兵器で十分戦えたはず。人類が滅亡の危機に瀕するわけありません。 結局この作品も、アメリカ映画の「モンスター」=「巨大生物」から脱しきれず、日 本映画のような「モンスター」=「怪獣」になれない、発想の行き詰まりを感じてしまいました。 それでもドラゴンが炎で、戦車、装甲車などの隊列を攻撃するシーンは、ロングでと らえてあり、なかなかカッコイイカットだったし、他にも良いシーンはあったので本当に残念でした。
そうそう。「ドラゴンは餌が増えるまで休眠状態に入り、現代に至り復活する」とい う設定。 これは、物語後半の「倒したドラゴンはメスばかりだ」というセリフ(実は1匹のオ スが多数のメスに受精していると言う、「逆」蜂社会)と合わせて「ギャオス(平成ガメラ)の パクリか!?」と思ってしまったよ。




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XーMEN2 2003.05.03.(SAT.) 
時が来た
ミュータントたちが団結し戦うべき時が


監督・ブライアン・シンガー「ユージュアル・サスペクツ」 音楽・ジョン・オットマン「ユージュアル・サスペクツ」
出演・ヒュー・ジャックマン/パトリック・スチュアート/イアン・マッケラン/ハル・ベリー/ファムケ・ヤンセン
■「X−MEN2」公式サイト


【マクノスケ】
「X−MEN2」というタイトルだと思ったらタイトル表示が「X2」だったのには 「へえ〜」という感じだったのですが、もうウルヴァリンが出て来たら、 映ってるだけでうっとりしちゃって、冷静に見ていられない状態になってしまいました。
私としては、ウルヴァリンの過去よりも、X−MENそれぞれの活躍が見たかったので、 嬉しい出来になっていたと思うのですが、彼の過去の謎解きや活躍を望んでいる人には、 ちょっと物足りなかったかもしれませんね。
今回はとにかくウルヴァリンが映ってるだけで嬉しかったし、 密かなファンのファムケ・ヤンセン(ジーン・グレイ役)が活躍してくれて、 さらに感激でした。彼女がパワーを使うこんなシーンが見たかったんだよ〜という場面も見せてもらって、 まさにファン冥利に尽きるというもの! しかし、こんなに活躍するジーン・グレイがチラシに載ってないのはどうしたわけじゃい…と 向こうのポスターを見てみたら、載ってる人物が全然違うではありませんかっ!
上の2人とイアン・マッケラン(マグニートー)とアナ・パキン(ローグ)は同じなんですけど、 他が日本のチラシだと、パトリック・スチュアート(プロフェッサーX)、ミスティーク、 サイクロップス、デスストラク(本名・ユリコ・オオヤマ)という面々になっていて、 売りのことを考えると仕方ないのかもしれませんが、せめてジーン・グレイは載せてやって欲しいっ!!!
ところで音楽のジョン・オットマンはこの作品で編集も担当していて、その才能に驚かされます。 なんと彼は「ルール2」という作品では監督もしているそうで、改めて向こうの映画人の奥深さを痛感致しました。
…が、オープニングの曲が「スペースバンパイア」(マンシーニ)に似ていてびっくり! (マクタロウも気がついたそう)1作目のケイメンのテーマ曲も捨てがたいんですがねえ…。
おまけネタ!→最初の「20世紀FOX」のタイトルロゴが消える時に「FOX」の「X」の文字が、 一瞬ピカッと光ります!
う〜ん!洒落た演出っ!!


【マクタロウ】
ミュータント達の苦悩と戦いをしっかり描いた反面、ケレン味に欠けた印象のある 1作目同様、今作も今ひとつカッコイイシーンが無かったように感じました。
今回は人間(ミュータントを憎む軍部の人間と特殊部隊)が敵になり、Xメンと マグニートーが一時的に手を組むなんて展開は、かなりイイです。
そのマグニートーが脱獄するシーンのアイディアは素晴らしく、あのシーンは 本作で一番の見所でしょう。
お話自体は今回も良く書かれており、演出も奇をてらった事はせず、好印象なのです よ。
しかし「マトリックス」とまでは行かなくとも、ヒーローが「見得を切る」ような 「決め」の カットが欲しいなあと思ってしまうのです。
私としては、素直に「画的」な格好良さがあれば、もっと燃える作品になったかと思 います。
それにしても1作目、2作目と簡単に敵の侵入を許してしまう、Xメンの基地って 問題ないかい?



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のほほん映画鑑賞備忘録2003.4月
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【2003】|1月2月3月5月6月



ドリームキャッチャー 2003.04.19.(SAT.) 
夢の番人、ドリームキャッチャー いま、ひとつの悪夢が、
その網をくぐり抜けてしまった


監督・ローレンス・カスダン 音楽・ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演・トーマス・ジェーン/ダミアン・ルイス/モーガン・フリーマン ■「ドリームキャッチャー」公式サイト


【マクノスケ】
おもいっきりねたバレしていますので御注意を!

幼なじみに降り掛かった謎の事件が、 特殊部隊を巻き込んで次第に拡大していく様を「ボディガード」のローレンス・カスダン監督が、 みごとに(?)映像化!原作は「グリーンマイル」のスティーブン・キング。
ここでキーポイントとなるのは、4人の幼なじみが小さい頃に授かったパワーなんですが、 これがねえ。本ではどうなのか知りませんが、ストーリーに生かされてなかったような気がします。
ネタ的には「出ました〜!キングゥ!」というネタなんですが、 「IT」や「ランゴリアーズ」(←テレビでざっと見た程度ですけれど) より思いっきり良くてよかったんじゃないでしょうか。好きな人にはたまらないネタでしょうね。
「ドリームキャッチャー」とは「悪夢を受け止めるインディアンのお守りのようなもの」らしいんですが、 そのものが、事件に直接からむわけではなく、あくまでも象徴として描かれているようです。
(ポスターがこれだから違うものを想像しちゃう!)
う〜ん。しかし「あの伝染病」と「あのエイリアン」はどういう関係だったのかとか…、 25年前から地球にやって来ているという「エイリアン」が ずーっと同じ作戦で侵略しようとしていたのはなぜなのかとか…(ちっとは進歩していてもいいのでは!) いろいろと謎が尽きないんですが、それよりなにより一番腑に落ちないのは、 4人に力を与えた「ダディッツ」!!彼(の中味)もエイリアンだったわけですが、 「うなぎエイリアン」が、あの「尻を破って出て来るうなぎ」を貯水地に入れる時まで、 なぜ正体を現わさなかったのか?なぞです〜ぅ。
あ…最後にモーガン・フリーマンは決して主演ではありません。

【マクタロウ】
私はスティーブン・キングの、映像化された作品は結構観ていますが、小説は「ファ イヤー・スターター」と 短編集を2冊ほどしか読んだことがありません。そんな私の勝手な印象による感想で すので、あしからず。
あ、毎度の事ながらネタバレしています。
まず本作は、私が知っているスティーブン・キングのエッセンスが、全て詰まったよ うな作品でしたね。
「少年時代の出来事(4人の幼なじみ)」「映画やコミックスから引用されるセリフ や小道具」「不思議な力」 等々。
そして、何よりも「モンスター」!!
前半の「何が起こっているのだろう」という展開は、なかなか面白いのですが、その 正体が姿を現すと、 とたんに陳腐な作品になってしまう。いきなりB級。
これこそが、「いかにもキングらしい」と私は勝手に思っているわけですよ。
(しかも今回は「異星人の侵略」モノだったのね)
またそれを、監督ローレンス・カスダンがまじめに撮っているのが、おかしい。なん か、ちぐはぐ。
ちぐはぐと言えば、異星人攻撃シーンのヘリ。多分CGで作られたアパッチ。飛び方 (撮り方)がモロ今風。 他のシーンがまじめな演出だけに、ここだけ浮いちゃってるなあ。
そのシーンそのものは、本作最大の見せ場になってるんですけどね。
友好的な(頭でっかち、ひょろっとした、ありがちな)姿に変身した異星人達が、墜 落した円盤の前で 手を振りながら「ウッチャダメダヨ〜」「キガイハ、クワエナイヨ〜」などとテレパ シーで訴えてくるのを 「だまされてはだめだ」とミサイルと機銃掃射でなぎ倒しちゃう!!
これは「未知との遭遇」へのオマージュ(とは言わないね。アンチテーゼ?)かと 思って、面白かったなあ。
なんだかんだと言っても、楽しむ事は出来ましたよ。少なくとも「観たことを後悔す るもの」ってほどでは なかったね。え?それって意味が違う?



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ネメシス・S.T.X 2003.04.12.(SAT.) 
恐るべきは自らの暗黒面(ダークサイド)だ。

監督・スチュアート・ベアード 音楽・ジェリー・ゴールドスミス
出演・パトリック・スチュアート/ブレント・スパイナー/トム・ハーディ ■「ネメシス・S.T.X」公式サイト


【マクノスケ】
冒頭からジェリー・ゴールドスミスの音楽が劇場いっぱいに響き渡り、 なつかしのクルーがスクリーン狭しと暴れまくる姿(特にピカード艦長!)を見ただけで 私しゃもう胸がいっぱいになりました。 スターウォーズでたまったうっぷんがあのスペースシップバトルで解消されてすっきり! クローン人間の問題点にも迫りテーマ性も高かったと思います。
しかしですね。今回はピカード艦長の邪悪なクローンが登場するんですが、 このふたりの会話がスターウォーズ状態! はっきり言って「エピソード3」を先にやられちゃってますぜ! ルーカス先生!負けないように頑張ってくださいよぉ!!
尚、タイトルの「ネメシス」とはギリシャ神話の「復讐の女神」のこと。 別に「最強の敵」という意味もあるそうです。 噂されていたピカード艦長役をパトリック・スチュアートが降板するという話ですが、 パンフレットのインタビューには今回の脚本家ジョン・ローガン(「グラディエーター」の脚本家にして トレッキーだそうで次回作は「ラストサムライ」が待機中!)が 次回も担当してくれれば熟考してもいいという朗報が載っておりました。 まああの終わり方は、これで最後!って感じでもないですからね。 でもね〜。今回のラストは、とにかく泣けます!!あぁ思い出しただけで涙がぁ〜〜〜〜っ!!!

【マクタロウ】
今回も、ネタバレ盛りだくさんで行きます。

私は熱心な「スター・トレック」(以下「ST」)ファンではありません。映画版で さえ、全ては観ていないし、 かろうじて基本設定と、登場人物を知っている程度。
しかし、そんな私でもオープニングのテーマ曲が鳴り響いた段階で、作品に乗っちゃ いました。 ジェリー・ゴールドスミスは、今回もいい仕事してます!!
そしてタイトルの文字「STAR TREK」。「TREK」の「R」が左右反転さ れてるじゃん。
これは、今回の敵であり、テーマでもある「クローン(ピカードとシンゾン、データ とB−4)」 を表しているのだろう。いいぞ、いいぞ。
続くロミュランの景色は「スター・ウォーズ」(以下「SW」)の「ナブー」や「コ ルサント」よりリアルで、 良く出来てるでないの。いいぞ、いいぞ。
「SW」との対比と言えば、戦闘シーン。「第二次大戦、航空戦」的「SW」と「大 艦巨砲、艦隊戦」的「ST」。 どちらも好きだけど、特に今回の戦闘シーンは良かった!!
シンゾンの攻撃に絶体絶命のエンタープライズ。さらに前方にロミュラン艦が!! しかし、なんとロミュランはエンタープライズに加勢を買って出るではないの!!
もうたまりません。こういう展開だ〜い好きなのです。はっきり言って、このシーン でジンワリ きちゃいましたよ。
やがて、ピカードはシンゾンと一騎打ち。襲いかかるシンゾンの体をピカードが突き 出したパイプが貫く。 しかし、最後の力を振り絞り、パイプをたぐり寄せ、あくまでもピカードを倒そうと するシンゾン。
このシーンは「エクスカリバー」へのオマージュと観たのよ、私は。
「エクスカリバー」では、父アーサーを息子モードレッドの槍が貫く。アーサーは槍 をたぐり寄せ、モードレッド と刺し違える訳ですよ。
もちろんピカードさんが死んでしまうわけにはいかないので、「貫かれる者」は逆に なっているけど、 息子と言えば、半分は自分のクローンだもんね。しっかりと図式は成り立っていると 思う。
新妻の精神に侵入してきたシンゾンの副官を、旦那ライカーが倒すところや、張って おいた複線を (バレバレだけど)ちゃんと消化したりと、しっかり落とし前をつけている脚本は嬉 しいね。こういうの大事です。
さすがに、「ST」のことを何も知らない人には無理だろうけど、私のように中途半 端な知識しか無くても(笑) 楽しめたぞ!!はっきり言おう。「SW/Ep.2」より面白かったぞ!!



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のほほん映画鑑賞備忘録2003.3月
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【2003】|1月2月4月5月6月



スパイダー・少年は蜘蛛にキスをする 2003.03.29.(SAT.) 
私の母は殺された。

監督・デイヴィッド・クローネンバーグ 音楽・ハワード・ショア
出演・レイフ・ファインズ/ミランダ・リチャードソン/ガブリエル・バーン
■「スパイダー・少年は蜘蛛にキスをする」公式サイト


【マクノスケ】
ねたバレあり!注意!!
クローネンバーグ監督の作品は、一種独特の雰囲気があって それがクセになると言えばなるのですが、今回はあまり奇をてらうことなく 直球勝負で挑んでいたように思います。
精神的に病んでいる主人公が少年時代を回想するという形式になっている本作。 それゆえに、主人公の行動自体が非常に怪しく、回想すらも真実を伝えていません。 しかしそれは妄想の世界に住む彼の中では真実なのであって、 現実が真実でなくてもいいのです。
ここまで来て「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のことを思い出してしまいました。 デカプー演じる主人公もまた「家族の愛」故に自分の理想の世界にいた人物。 彼はトム・ハンクス演じる刑事さんがいたから現実の世界へ帰って来れたのですが、 スパイダーの主人公は、あまりにも母への愛と自分の世界への執着が強すぎて 戻って来れなくなってしまったんですね…。
母に「女」を感じた時、壊れてしまった少年。 少年にとって「母」とは神聖なもの。自分だけの存在だったのかもしれません。 少年と母親の関係以上に男と女の性について考えさせられた映画でした。

【マクタロウ】
毎度のことながら、ネタバレしてますのでご注意下さい。
デヴィット・クローネンバーグ監督は(全ての作品を観たわけではありませんが)趣 味を爆裂させ つつも、しっかりとエンターテインメント性を持った作品を作っていると思います が、 今回の作品は、それがあまり感じられません。
それどころか、「精神に障害がある主人公の回想」という形をとって語られているた め、 やや難解にさえ見えます。
事実、私は鑑賞直後、(イメージしていた作品と違っていたこともあり)あまりピン ときて いませんでした。
しかしその後、かみさんとの会話の中で「母親に性的なものを感じる?」と言われた ことから、 全てがわかった次第。
一言で言ってしまうと「少年による(精神的、物理的両面での)母親殺し」の物語 だったのです。
(あくまで、私の解釈)。
最近は、映画を観る前の情報をできるだけカットしているのですよ。だからこの「ス パイダー」も、 「クローネンバーグ監督の作品でサイコものらしい」程度のことしか知らなくって、 私の勝手なイメージでは「クローネンバーグの内臓趣味的サイコ・サスペンス」を期 待していた 部分もあったんですね。
確かに「サスペンス」と言えるかも知れませんけどね。殺人事件があり、最後には意 外なオチが待っている のですから。



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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 2003.03.29.(SAT.) 
本物の偽者を描いた真実のドラマ。

監督・スティーブン・スピルバーグ 音楽・ジョン・ウィリアムズ
出演・レオナルド・ディカプリオ/トム・ハンクス/クリストファー・ウォーケン/マーティン・シーン/
ナタリー・パイ ■「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」公式サイト


【マクノスケ】
予告やポスターから60年代ポップ調のライトコメディかと思いきや、 それもオープニングまでで、中味はしっかりいつものスピちゃん節が炸裂しておりました。
テレビの紹介などでクリストファー・ウォーケンとデカプーの親子の情を通わせるシーンが良いとは聞いてましたが、 実はこの映画全編が親子愛のお話だったんですね。
破産が原因で別れてしまった両親をお金で元に戻せると思っているデカプーが、 16歳から19歳まで詐欺師になってお金を稼ぎまくるんですが、 その間も彼には両親の幸せだった頃しか見えていない。 しかし物語の最後の方で、彼はやっと現実に直面するんです。 詐欺師だった頃の彼は、まだ子供でしかも夢=理想の世界にいたんですね。
音楽はもちろんジョン先生! 今回はオープニングが60年代ポップ調のアニメということもありジャズで勝負をかけていましたが、 映画の中で流れていた曲は、私の好きな「おとなし系サウンド」でした。 もちろん「スターウォーズ」などの「飛ばし系サウンド」も好きなんですが、 好きでいろいろ聞いていると「アイリスへの手紙」や「偶然の旅行者」などの「おとなし系」も癖になってくるんです。 「ハリポタ2」と「マイノリティ・リポート」のサントラを買っていない不届きもののファンですが、 映画を見て「これは欲しい!」と久々に燃えるくらい音楽はイケてました!

【マクタロウ】
ストーリーにしっかりと触れています。ご注意を。
デカプリオ扮する主人公の青年は、父親の事業失敗による両親の離婚をきっかけに家 出。 生きていくために詐欺をはたらくようになるんだけど、パイロット、医者、弁護士 と、転々と 「別の自分(偽りの自分)」を演じていく姿は、さながらコスプレを楽しんでいるよ うなんだよね。
詐欺(目的)のためのコスプレ(手段)が、いつしか彼の楽しみ(目的)になっ ちゃってる。
つまり、現実逃避に浸っているんだろうなあ。
しかし、そんな彼にも「現実」が迫って来るわけですよ。FBIの捜査がね。
彼が自分を追っているFBI捜査官(トム・ハンクス)に電話をかけるシーン。 「ライバルこそが自分のことを一番理解している」という、よくあるパターンではあ るものの、 嘘で塗り固めた生活の中で唯一、真実を話せる相手が自分を追う捜査官だってところ は、 彼にとってはそこだけが「現実」だったからなんだよね。
それが証拠に、愛する父に対してさえ真実を話すこともなく、現実的ではない理想、 「父と母が再び一緒に暮らすこと」を求めているし。
逮捕後、父の死を知り、母の再婚を受け容れ、服役途中でFBIの為に働くように なって、 やっと彼は現実を生き始めたんだろうなあ。
自身も両親の離婚を経験しているスピルバーグは、すんなりと主人公に感情移入でき たのかな。 近作ではなかった、登場人物に対しての「愛」が感じられるもの。
大作、話題作が続いたスピルバーグ作品としては、ちょっと地味な新作だけど、 「A・I」「マイノリティー・リポート」と来た中では、一番の出来でしょう。
さて、ここからは蛇足です。私的に苦笑してしまったシーンが二つ。
一つは、捜査官(ハンクス)が犯人(デカプリオ)の偽名はコミックス「フラッ シュ」の主人公から 取ったものだと知るシーン。 即座に「犯人は子供(未成年者)だ」と閃くんだけど、現代では「コミックス=子供 の読み物」という 図式が成り立ちにくくなってるから、これで犯人に行き着くのは難しいだろうなあ。
もう一つは、パンナムの小切手を偽造するシーン。
かば◎さんのサイト「河馬之巣」掲示板で話題になってい たけど、 原作(未読)ではパンナムのマークをプラモデルのデカール(*)から流用するらし い。
しかし映画では完成品をバスタブに(大量に)浮かべて、そこからマークをはがして いるでないの。 「全部完成させたのかよ、デカプー」と世界中のモデラーからツッコミが入ることで しょう。

(*)飛行機のマークなどをノリと共に印刷したシート。
水に漬けると、マークの部分がノリと一緒に紙から剥がれてくるので、これを模型に貼ります。
映画では、画的なインパクトとわかりやすさから、上記のような 描写になったんでしょうね。




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007ダイアナザーデイ 2003.03.16.(SUN.) 
2003.SPRING究極のスリリングが上陸する。

監督・リー・タマホリ  音楽・デヴィッド・アーノルド
出演・ピアース・ブロスナン/ハル・ベリー/トビー・スティーヴンス/ ロザムンド・パイク ■「ダイアナザーデイ」公式サイト


【マクノスケ】
「お色気」も「アクション」も「武器」も通り一遍でいまひとつ。 「007」にテーマや人間模様などを求めるのも無理なのかもしれないけれど、 期待していたハル・ベリーのジンクスも「トゥモローネバーダイ」のミッシェル・ヨーと たいして変わらず、(むしろ彼女の方がアクションシーンなどカッコ良かった!) スピンオフ作品が出来るというのは、一重にアカデミー最優秀女優賞の ハル・ベリー人気に負うところ多しと見ました。 「ゴールデン・アイ」の時も思ったのですが悪役にあれだけのものが作れるわりには、 目的がしょぼ過ぎない?(笑)
(詳しくは下のマクタロウの感想をお読み下さい。)
それでもマギー・スミス(ハリーポッターのマクゴナガル先生)の 息子のトビー・スティーヴンスはイイ味出していたと思います。(よく見ると母によく似てる!) 彼が演じるグスタフ・グレーブスという人物には意外なオチがあるのですが、 設定的にちょっと無理があるのが残念。
他にも、ボンドの自律神経自己操作シーン(!)の導入部の演出がわかりにくかったり、 突っ込みどころ満載なんですが、あのアメリカ人の「東洋一色思い込み主義」はなんとかならないでしょうか…。 「北朝鮮」と場所を特定するなら、せめて「日本」と「朝鮮」の違いくらいは勉強して欲しいもんです。
音楽のデヴィッド・アーノルドは、ローランド・エメリッヒ監督の作品「スターゲイト」「インデペンデンス・デイ」「ゴジラ」 でコンビを組んで名をあげた人なのですが、「パトリオット」でエメリッヒ監督に「私の求めている音楽を描けない」と言われて ジョン・ウィリアムズに交代させられてしまったという悲しい過去を持っております。
(まあ、サントラ界では、たまにあることですが…)
今回は「トゥモロー・ネバー・ダイ」「ワールド・イズ・ノット・イナフ」に続き3回目の登板となりますが、 問題の北朝鮮をイメージさせるシーンの音楽が、どことなく日本調になっているのは、上記理由から仕方ないのかな… とも思ったりして…。

【マクタロウ】
「アクション」「お色気」「ユーモア」を盛り込んだ、007(ゼロゼロセブンでは なくダブルオーセブンと呼ぶのが正式)シリーズは娯楽映画の王道でもあり、 スパイ・アクション映画の、一つの基準にさえなっているように思います。
本作も(お約束通り)オープニングのホバークラフトによるアクションからラストの お色気シーンまで盛りだくさんで、観ている人を飽きさせません。
しかし、観終わると「何も残っていない」のも事実でありました。ここからはオヤジ のボヤキになります。
(この先、ネタバレになるかもしれません。読まれる方はご注意ください。)

私の主観かもしれませんが、近作(ピアース・ブロスナン主演のシリーズ)では、 「悪役」「目的」「手段」の全てがちぐはぐで、地に足が着いていないように感じます。
これは、元々「荒唐無稽スパイ・アクション映画」だった007シリーズに(時代の 流れから、仕方ないこととはいえ)世界情勢を反映させた設定を織り込み、(これまた仕方ないこととはい え、数多のアクション映画に対抗すべく)SF的壮大な装置を登場させてきたことの弊害ではないかと思います。
その上、悪人の野望と言ったら「金儲け」だったりするので、更にかみ合ってこない のです。
本作では、(悪役)「北朝鮮の将軍の息子」が、(目的)「南北間にある地雷原を爆 破し、軍の進路を切り開く」ために(手段)「衛星兵器」(太陽光を収束させて地上にビームを発射する)を使用 しますが、やはり無理がありすぎるように思います(そもそも、そんな兵器があるのなら直接攻撃すれ ばいいのですから)。
だからといって、今更初期の設定にもどって、スペクターなる秘密結社(おお、素敵 な響き)を出してくる訳にもいかず、このあたりは東西冷戦終結後のスパイ映画作りの難しさがあるように 思います。
画的な面では、ボンド・カーがBMWからアストンマーチンになったのは、大変喜ば しいことであります。(やはり英国諜報部員ですからね)。
アイスランドの氷原でのアクションシーンは本作の見せ場でありますが、その特別装備(敵のジャガーも含めて) が、子供の頃思い描いていた「ここからはミサイルが出て、こっちからマシンガンが 出るんだぞ」的「秘密兵器自動車」のようで、驚くよりも苦笑してしまいました。
また、特殊効果の多用や、派手な演出(スローモーション、早送りなど)が、かえっ て他の作品(予告で掛かった「チャーリーズ・エンジェル」など)と大差ない「画」に観えてし まい、逆効果だったのではないでしょうか。

全体的に「やりすぎ」が目立ち、SF映画に近くなってきた(いや、もうなってる) 本シリーズ、はたして次回はどうなってしまうのでしょうか?
私としては「悪の秘密結社」に「世界征服」を叫んでもらいたいところですが。



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リロアンドスティッチ 2003.03.08.(SAT.) 
“愛を知らない”エイリアンと“愛を失った”女の子。
ふたりが出会って、きっと明日はいいことがある…。


監督・クリス・サンダース/ディーン・デュボア  音楽・アラン・シルベストリ
出演・クリス・サンダース(リロ)/ティア・ケレル(ナニ)/ヴィング・レイムズ(バブルス) ジェイソン・スコット・リー(デイヴィッド) ■「リロアンドスティッチ」公式サイト


【マクノスケ】
おもいっきり泣くぞ〜っと力(りき)を入れ過ぎたのか…その割に泣けませんでした。 もちろんところどころにじんわり来るシーンはありましたが。 宇宙からやって来た逃亡犯、実験体626号とハワイで暮らすみなしごのリロが出会い、 互いの心の隙間を埋めあって行く過程がエルビス・プレスリーの曲にのせてキュートに描かれるのですが、 お話はリロとスティッチよりもリロとリロのお姉さんナニに赴きがおかれていたようにも思います。
たしかに姉妹愛にも心打たれるのですが、もう少しリロとスティッチの方に時間をさいて欲しかったかな。 設定といいストーリーといい「アイアンジャイアント」を思い出さずにはいられない作品なんですが、 くらべるとあとひと息!もっともディズニーは感動よりもスティッチとリロの邪悪さを取ったのかもしれませんが…。 (笑)
とにかくスティッチの行儀悪さはディズニー史上最高で、かなり笑えました。 脇キャラの博士と諜報員のプリークリーもピクサーのキャラ(モンスターズインクなど)入っていて このところのディズニーらしさがよく出ていたと思います。
音楽のアラン・シルベストリは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などのゼメキス監督作品で知られる作曲家。 ディズニー作品は初めてですが、いつも通りの感動路線をきっちり守ってます。 「ホワット・ライズ・ビニース」のおどろおどろしい旋律が時たま聞こえてきたのは御愛嬌かな。(笑)

【マクタロウ】
ディズニー長編史上、初めて「人間が主人公で現代を描いた」作品(かな?)。 それ故に、主人公リロは両親を亡くし、姉がリロを育てられるか審査されているなん て設定を持ってきていて驚いた。ディズニーにしたら意欲作といえるかも。
だけど、う〜ん、おしい。面白いんだけど、何か物足りない。
思うに、前述の設定が全面に出過ぎて、本来描かなければいけないスティッチを 描き切れていないのだと思うのですよ。 単に私の好みなのかもしれないけど、もっとリロとスティッチの友情をメインに描い ていたら、涙、涙だったかもしれないのになあ。
でも、そうするとあまりにも「アイアン・ジャイアント」になってしまうので、 ディズニー側があえてはずしてきたのかな?
回りでは、しきりに鼻をすする音がしていた(花粉症のせいでは無いと思う)ので、 ほんとに私の好みの問題なのでしょう。
あ、個人的な好みと言えば、冒頭の宇宙ステーション(?)内部の色や、宇宙人、 宇宙船が、フレンチ・コミック(と言うよりメビウスのイラスト)風で良かったなあ。 ツボを押さえたギャグや、アクション、泣かし所もあり、よく出来ているので、 観て損はないと言えますけどね。



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のほほん映画鑑賞備忘録2003.2月
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【2003】|1月3月4月5月6月



ビロウ 2003.02.22.(SAT.) 
潜水艦に女性を乗せることは不吉とされていた…。

監督・デヴィッド・トゥーヒー 音楽・グレアム・レべル
出演・マシュー・ディヴィス/ブルース・グリーンウッド/ オリビア・ウイリアムズ ■「ビロウ」公式サイト


【マクノスケ】
潜水艦という閉鎖された中で起きるパニックとホラーを、 組み合わせたという新しさはいいんですが、展開のさせかたがイマイチでしょうか? 「見えない敵」の描き方を欲張ってもらって、もっと背中がぞくぞくするようなラストを 見せてもらいたかった!あのラストでは、あまりにもオチがなさ過ぎ…。 音楽のグレアム・レベルは、曲の感じからジマ−系の人?と思いましたが、調べてみたら もともとはオーストラリアで SPKというノイズ・ミュージックをやっていた人。なんでもライブで牛を解体しちゃったりしていたそうです。 あの曲の激しさは、そういうところから来ているのかしら?

【マクタロウ】
「エイリアン」調の「密閉された空間での恐怖モノ」です。ネタ的には「イベント・ ホライゾン」に近いか。
その「密閉された空間」が第二次大戦中のアメリカ潜水艦ってところが新鮮。 乗組員にとっては「外からドイツ艦の爆雷攻撃」「中にはオバケ」という状況。こ りゃ「エイリアン」より辛いね。
さて、潜水艦と言えば「潜水艦映画にハズレ無し」などと、まことしやかに言われて いますが、私としては「クリムゾン・タイド」からこっち、「K−19」までハズレだらけなん ですよね。
そこで本作はと言いますと、まずまず及第点(偉そうに)。
元々心構えとして「今日はB級ホラーだぞー」ってなつもりで観に行ったらB+ぐら いの出来だったから、点数甘いのかもしれんけど。でも、いい雰囲気は出ているし、役者も「ス ター」不在なところが、かえって良いし。ネタと観せ方にもう一工夫あるとグッと良くなりそうだったので、 残念。
オープニングにいきなりカタリナ飛行艇(イギリスマーキング)が出てきたのは得し た気分。あ、ここでも点数甘くなってるかも。



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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 2003.02.15.(SAT.) 
新しい出合いと別れ
第一部は序章でしかななかった。


監督・ピーター・ジャクソン 原作・J.R.R.トールキン 音楽・ハワード・ショワ
出演・イライジャ・ウッド/イアン・マッケラン/リヴ・タイラー/ ヴィゴ・モーテンセン■「ロード・オブ・ザ・リング」公式サイト


【マクノスケ】
1年待った甲斐がありました。いいもん見せてもらったとピーター・ジャクソン監督には感謝の気持ちでいっぱいです。 2時間59分という長丁場ですので、あと何回か見ないと細部まで掴めないと思いますが、 とりあえず1回目で圧倒されたのは、最後の40分もの合戦シーン! これは、まさに映画館で(お金を出して)見るにふさわしいすばらしいものになっていました。 アラゴルン、レゴラス、ギムリの3人と城門を必死で守るローハンの兵士たち、加勢に来るハラディア率いるエルフ兵と、 迫り繰る1万ものウルク=ハイの激突!圧倒的な迫力と緊張感の中に、ギムリのユーモアがバランス良く配置されていて、 全く時間を感じさせません!特に最後のガンダルフが飛陰に乗って現れるシーンのカッコ良さといったら、これぞ映画! 指輪ファン冥利に尽きるというものです!!

【マクタロウ】
待ってましたの「ロード・オブ・ザ・リング」2作目!!いきなりオープニングから バルログとガンダルフの対決シーンだ!!ガンダルフ、カッチョエエ!!
ついコーフンしてしまいましたが、そのオープニングから続くシーンで感じたのが 「おお、大作映画の絵になっているなあ」と言うこと。
CGバリバリの戦闘シーンより、メリー、ピピンを連れ去ったオーク達を追いかける アラゴルン、レゴラス、ギムリを空撮でとらえた映像に「大作映画」を感じたんだよ ね。
「ピーター・ジャクソンやるじゃん」って(偉そうに)。自分でもうまく説明できま せんけど、まあ、一つにはロケの勝利でしょうか。やはり、セットもろくに組まずにグリーン バックばかりで撮影していてはイカンと思うわけですよ(注:特定の作品を指して言っているのでは ありません)。
物語の展開も、三つに分かれたお話をうまく繋いであると感じました。 ここでも「ピーター・ジャクソンやるじゃん」って思いましたよ(偉そうに)。 後半はもう、興奮しっぱなし(笑)。ヘルム渓谷の戦闘(セオデン王カッチョイ イ)、ガンダルフ、エオメル騎馬軍団の「鵯越の逆落とし」、エント軍団の攻撃…。 そしてまた最後にはサムのセリフで泣かされてしまうのであった。ああ、早く「王の 帰還」が観たい!!
最後に、本作を象徴する一言を某マスターからいただくとしたら、「指輪戦争の始まりじゃ」 これで決まりでしょう。



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レッド・ドラゴン 2003.02.08.(SAT.) 
《悪の根源》を知る為にはその原点に戻らねばならない。

監督・ブレット・ラトナー 原作・トマス・ハリス 音楽・ダニー・エルフマン
出演・アンソニー・ホプキンス/エドワード・ノートン/レイフ・ファインズ/ エミリー・ワトソン■「レッド・ドラゴン」公式サイト


【マクノスケ】
話も役者もいいのですが、語るような何かがない。 悪いなら悪いで、あーだこーだも言えるのですが、悪くないのが、かえって災いして語れない…とでもいいましょうか。 いつもなら帰りの車の中で感想を話しながら帰るのですが、今日はおもいっきり無口になってしまいました。 もっと犯人の悲哀やレクター博士の邪悪な影の部分が描かれていれば、語るものもあったかもしれません。

【マクタロウ】
あの「羊たちの沈黙」の前のお話ということで、「レクター博士の活躍やいかに?」 と観に行くと…。 今回は犯人(レイフ・ファインズ)の心情、トラウマなどに時間を割いている関係か ら、後半レクターの出番がほとんどありません。このあたり、物語の展開上仕方ないとは 言え残念です。
原作通りに「レッド・ドラゴン」から映画化されていれば(1度映画化さ れていますが、アンソニー・ホプキンス=レクター博士では初めてってことで)こういっ た感じ方もしなかったかもしれませんね。
シリーズ3作目となり、前作「ハンニバル」では主役となったレクター博士は、キャ ラクターが一人歩きを始めているような気がします。



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ボーン・アイデンティティー 2003.02.1.(SAT.) 
マット・デイモン=ジェイソン・ボーン

監督・ダグ・リーマン 原作・ロバート・ラドラム 音楽・ジョン・パウエル
出演・マット・デイモン/フランカ・ポテンテ/クリス・クーパー/ ブライアン・コックス■「ボーン・アイデンティティー」公式サイト


【マクノスケ】
製作があのフランク・マーシャルとキャサリン・ケネディの会社だとは知らなかった! 音楽のジョン・パウエルもあのガンガンのノリから、もしやと思っていたら、やっぱりジマー一派の1人でした。 ちなみに、ハンス・ジマーは「バック・ドラフト」や「パールハーバー」などの飛ばし系サウンドで知られる映画音楽作曲家で、 現在はドリームワークスの音楽部門も担当してます。ジョン・パウエルを含む多くの作曲家、<ニック・グレニー=スミス「仮面の男」、 ハリー・グレグソン=ウィリアムス「アンツ」「リプレイスメント・キラー」、マーク・マンシーナ「スピード」「コン・エアー」「ターザン」> などが参加するメディア・ベンチャーズ(MV)の代表でもあるんですが、これに所属している人って、 ジマー色が濃すぎて誰がどの曲を描いたのか判別不可能なところが難ですねえ。
…で、映画の方はというと、まずまずでした。もうちょっと花があるともっとよかったかな。

【マクタロウ】
アクションシーンをアップばっかりで撮るな!!
最近のアクション映画全般に言えることだけどね。どうしてなのかなあ? 漫画の場合、アクションシーンは大コマ使いたくなる(それで迫力を出す)もんだけ ど、映画はコマ(スクリーン)の大きさが一定だから、画面いっぱいの画にして迫力を出 したいのか?(そんな訳ないと思うけど)
これでは、せっかくマット・デーモンが華麗な殺陣をやっていたとしても、よくわか らんのよね。カットも短いし…。
お話の方はまずまず面白かっただけに、ちと残念でした。
P.S 劇場の外で「なんだか話がよくわからない内に終わっちゃったぁ。アクショ ンは面白かったけどぉ」と、私とまったく逆のこと言ってるオネーチャンがいました。 ま、感想は人それぞれです。



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のほほん映画鑑賞備忘録2003.1月
のほほん映画鑑賞備忘録INDEX
【2003】|2月3月4月5月6月



T.R.Y. 2003.01.26.(SUN.) 
武器は頭の中にある

監督・大森一樹 原作・井上尚登 音楽・住友紀人  出演・織田裕二/シャオ・ピン/ソン・チャンミン/渡辺謙 ■「T.R.Y」公式サイト


【マクノスケ】
織田裕二にあまり興味がなくて、そんなに乗り切れませんでした。 どちらかと言うと脇の「渡辺謙」や「松重豊」、「今川雅之」の方が味があってよかったかな。 ジャキ−・チェン似の韓国の俳優、ソン・チャンミンもいい感じでした。 映画の出来の方はまあまあと言ったところ。もう少し予算があれば、もっとおもしろいものになったのでは?

【マクタロウ】
う〜ん、ネタ的にはストライクゾーンど真ん中なんすけどねえ。
期待していたほどではなかったですねえ。ストーリーの「騙し合い」もハラハラしな いし、 織田祐二もミスキャストではないかなあ。もっと影ある役者の方がよかったのでは? 他の役者さんはそれなりに良かったけどねえ。
大爆発の中を舞うペラペラの小銃が悲しかったす(しかもスローモーションで長々 と)。



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オールド・ルーキー 2003.01.18.(SAT.) 
ひとりで夢を追うほど、強くなれない
そんな僕の背中を押してくれたのは、《家族》という名の奇跡だった…。


監督・ジョン・リー・ハンコック 
原作・ジム・モリス(『オールド・ルーキー 先生は大リーガーになった』文藝春秋・刊)
音楽・カーター・バーウェル 
出演・デニス・クエイド/レイチェル・グリフィス/ブリアン・コックス/アンガス・T・ジョーンズ
■「オールド・ルーキー」公式サイト


【マクノスケ】
主演のデニス・クエイドの表情がすごくよかった!
監督もそれを生かした画面作りをしていて(表情をじっくり撮っています。)好感が持てました。 ストーリーも撮り方も平凡と言えば平凡なんですが、この手の映画は、こういう風に描いてこそ、 味が出るというもの。お決まりのダメチームの奮闘物語から主人公の小さい頃からの父との葛藤など よく描かれていたと思います。モリスの子供を演じたアンガス・T・ジョーンズくんもかわい〜い!! 「ジュラシック・パーク3」の子役トレヴァ−・モーガンくん(「シックス・センス」で風邪薬のCMに出ていた子!)も モリスの子供時代の役で頑張ってました。
(なぜノークレジットなのか気になるけど。)

【マクタロウ】
これはもう、思っていた通りの映画。
友人の表現を借りるならば「カツ丼を注文したら、ちゃんとしたカツ丼が出てきた」 感じ。
最近「天ぷら定食を頼んだのに天丼が出てきたり、ただのご飯だけ(笑)だったり」 する作品も多いですから、これは当たりでしょう。
「父と子」(主人公と父、主人公と子供)の関係をうまく絡めて作ってあります。 やはり野球とくれば「父と子」なんですね。
しかしアメリカ映画のスポーツ物は、はずれが少ないね。 奇をてらわずツボを押さえてます。欲を言えば、ラストはもうちょっと盛り上がりが 欲しかったかな。



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