2008年9月〜12月

SF・アクション映画が大好きなマクノスケ&マクタロウの映画鑑賞備忘録です。
ふたりで「のほほ〜ん」と感想を語っています。


■2008年 9月〜12月  基本的にネタばれしておりますので御注意を!
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  【2008】/1月〜4月5月〜8月/9月〜12月

  【09月】 幸せの1ページ / アキレスと亀 / 次郎長三国志 / アイアンマン /
  【10月】 アクロス・ザ・ユニバース /
  【11月】 レッドクリフ Part I / 彼が二度愛したS / 落下の王国 /X-ファイル:真実を求めて /
  【12月】 ウォーリー / 空へ 救いの翼 RESCUE WINGS / ワールド・オブ・ライズ /  252 生存者あり /

■2008. 12月
  ウォーリー / 空へ 救いの翼 RESCUE WINGS / ワールド・オブ・ライズ /  252 生存者あり /

252 生存者あり 2008.12.30(Tue.)
■史上最大の巨大台風日本直撃!

監督:水田伸生
原作:小森陽一
脚本:小森陽一、斉藤ひろし、水田伸生
エグゼクティブ・プロデューサー:奥田誠二
プロデューサー:佐藤貴博、下田淳行
撮影:林淳一郎、さのてつろう
音楽:岩代太郎
美術:清水剛
VFXスーパーバイザー:小田一生
出演:伊藤英明、内野聖陽、山田孝之、香椎由宇、木村祐一、
MINJI、山本太郎、桜井幸子、大森絢音、松田悟志、杉本哲太、
西村雅彦、温水洋一、阿部サダヲ
製作国:2008年日本映画
配給:ワーナー・ブラザース映画
「252 生存者あり」公式サイト



【マクタロウ】
私は不特定多数の方が見てくれている(と思っている)この場で、
「作品の良くないところばかりを書く」ということはしたくないと思っているし、してこなかったつもりです。
しかし、この作品はまったく「なっていない」。脚本、演出全てがダメだと言っても良いでしょう。
観客を「泣かせる」ためだけに作られた設定(観客は製作者からバカにされているのだよ。こうすれば泣くよねって)、最初から助かることが予想されているとはいえ、ご都合主義で集められたような被災者達、災害規模が甚大なのにそれを感じさせない世界観・・・。上げていけばきりがない。
この作品で描かれているハイパーレスキューの姿に、消防庁はOKを出してしまっても良いのか?
少なくとも私はあのようなレスキュー隊員では、人命救助など出来ないと思うのだが。
洪水でパニックになる地下鉄駅の描写だけはエキストラが多くて「がんばっているなあ」と思ったけど、それも作品の出来とは別次元でのお話。

【マクノスケ】
「252」の映画公開連動企画の単発スペシャル「252 生存者あり episode.ZERO」を公開前に観た時に、
なんとなくヤバいような気はしていたんですが、なんだか映画の方がまずかったような・・・。

愚痴を言い出せば切りがないので辞めますが、せめて期待していたウッチー(内野聖陽)の出番が
もう少し多ければ多少は良かったのになあ。 あんなに活躍しないレスキューって言うのもねえ。
出すからには、もう少し威厳のある出来るレスキューでいて欲しかったなあ。
どうも感動の場面の押し売りみたいな映画で・・・ホントにトホホでした。
まあ、その日お口直しに観た「続・三丁目の夕日」が良かったから モヤモヤも解消されて
この日はゆっくり休めましたが・・・。そうじゃないだろうってお話。(笑)



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ワールド・オブ・ライズ 2008.12.28(Sun.)
■どっちの嘘が、世界を救うのか。

原題:Body of Lies
監督・製作:リドリー・スコット
脚本:ウィリアム・モナハン
原作:デビッド・イグネイシアス
製作:ドナルド・デ・ライン
製作総指揮:マイケル・コスティガン、チャールズ・J・D・シュリッセル
撮影:アレクサンダー・ウィット
美術:アーサー・マックス
音楽:マーク・シュトレイテンフェルド
出演:レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ、マーク・ストロング、
ゴルシフテ・ファラハニ、オスカー・アイザック、
サイモン・マクバーニー、アロン・アブトゥブール、アリ・スリマン
製作国:2008年アメリカ映画
上映時間:2時間9分
配給:ワーナー・ブラザース映画
「ワールド・オブ・ライズ」公式サイト

【マクタロウ】
中東で活動するCIAの工作員ロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)と、アメリカから彼に指示を出す上司エド・ホフマン(ラッセル・クロウ)。現場で実際に命を張る者と、安全な場所から指示だけを送る男の対比が良い。
特に、家事をしながら、子供の世話をしながら、という日常の中でフェリスに対して指示を出すホフマンの姿は印象的だ。
そんなホフマンのキャラクター描写は、アメリカを体現している。中東諸国、アラブ人を見下し、現場の状況はお構いなしに自分たちの要求を頭ごなしに押しつけてくるといった具合だ。
そんなホフマンとフェリスは上手くいくはずもなく、ラストではCIAを辞めるフェリス。「中東が好きなんだ」というフェリスの言葉に「そんなやつはいない」と言ってのけるホフマン。このホフマンの言葉こそアメリカの本音なのではないかと感じた(フェリスの台詞からは「アラビアのロレンス」を思い出した)。
役者も両者の対比を強調するように、ディカプリオは髭を生やし精悍な面持ち、ラッセル・クロウはでっぷりと太った役作り。特にデニーロばりのラッセル・クロウのアプローチは毎回驚かされる。
リドリー・スコット監督の映像は本作でもパワフルで、戦闘シーンの迫力は圧倒的。
テーマ、映像、役者と、どれをとっても平均点以上の作品だった。

【マクノスケ】
テロ組織のリーダーを捕まえるために活動するCIA工作員フェリス(ディカプリオ)。大怪我を負いながらも、無茶な指令をアメリカ本土から次々と送る「現場を知らない上司」ホフマン(クロウ)との仲が次第に開いて行き・・・。結果、フェリスは独自の作戦を実行。それがとんでもない事になるとは知らずに・・・。

レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウという2大スターの豪華初共演作。これはラッセル・クロウの一人勝ちかと思いながら見に行ったのですが、この作品のデカプー!とっても良かった。自分的には「ブラッド・ダイアモンド」の時よりもデカプーの表情など好みです。監督がリドリー・スコットという事もあり、地味すぎず、しかし戦闘シーンはド派手という点も得点高い!

デカプーは、冷酷に人を殺していくのとは逆に本当は気持ちの優しい男ところが、見ていて感情移入しやすくすんなり見られました。また、クロウの一見、人の良さそうな家庭人のように装っているデスクワークの上司って言うのが、実に憎らしげでテログループと果たしてどちらがより「悪」なのか考えさせられるところがミソでした!
演じるクロウもいつも以上に「化けてる」と言った感じで相変わらず達者だなあと感心しました。
しかし結局はヨルダン情報局のハニ・サラームの一人勝ちだったってのも皮肉で良かったかなあ。(笑)



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空へ 救いの翼 RESCUE WINGS 2008.12.13(Sat.)
■命を救い、生きて戻れ。

[監][脚]手塚昌明
[脚]内藤忠司 水上清資 大森一樹
[歌]柴咲コウ
[出]高山侑子 渡辺大 井坂俊哉 金子賢 鈴木聖奈 
瀬戸早妃 木村佳乃 三浦友和 浅田美代子
[制作データ] 2008角川映画 [上映時間] 108分
「空へ 救いの翼 RESCUE WINGS」公式サイト

【マクタロウ】
これだけキッチリと自衛官を主役に描いた映画は無かったのではないか? 物語は青春映画の定石ともいえる内容で、主人公川島 3尉(高山侑子)の挫折と苦悩、 それを乗り越えるまでが描かれる。

若い役者の演技はあまり上手いとは言えないが、川島の友人、勝沼碧 整備小隊・空士長(鈴木聖奈)が、実は主人公よりも美味しい役。
終盤の涙を拭きながら整備に従事するカットは良かった。
ドラマ的にはちょっと主役を食ってしまった感がある。
手塚監督が実物にこだわったという映像は、冒頭(V−107Aが山間の校庭に着陸するシーン)
から迫力があり、それだけでも観て良かったと思える。
とにかく随所に航空救難団パイロット、救難員の見事な技術を観ることが出来るのだ。
(防波堤の上に着陸するシーンは本当にうなった)
日頃あまり紹介されることもない航空救難団の仕事を、
こうした形で観ることが出来るというのは価値のあることだと思う。

もう少しドラマの整理が出来て、役者の演技が良ければ文句なしの娯楽作品になっていただろう。
(とはいえ、なんだか憎めない作品なので本年度ベストテンには入れても良いかと思う今日この頃)

【マクノスケ】
アニメ『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』とコミックス『レスキューウイングス』を原作に、
航空自衛隊の航空救難隊員として女性初の救難ヘリパイロットとなった
川島遥風 (はるか)3尉の成長と活躍を描く青春ドラマ。

航空自衛隊と海上自衛隊の全面協力・・・と言うことで、模型おたくのマクタロウいつになく力が入っている様子。
また主人公を演じる新人高山侑子の殉職した父親が航空自衛官の救難隊員だったことも
話題のひとつになっておりまして話題性充分。
レスキューチームを演じる役者さんたちに、演技的にいまひとつなところもありましたが、
そこは角川映画!往年の「べたな青春映画」的なノリと開き直って楽しんで来ちゃいました。

ヘリの活躍するシーンはもちろん燃えたわけですが、私的に注目だったのは
脇役・勝沼碧整備小隊・空士長!!めがねっこの整備士だけでも萌え!なわけですが、
これがまたF-15パイロットの横須賀剛1尉とバイクで海岸線を走ったり、最後には・・・・!!!
予想外の展開に思わず笑みがこぼれちゃったりしました。
出番は少なかったですけど、気になる俳優の春田純一さん(早稲田繁夫3佐)や
宮川一朗太くん(海上自衛隊護衛艦・副長)、
それから中村雅俊さん(海上自衛隊護衛艦・飯島艦長)のお顔も見る事が出来て良かったです。



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ウォーリー 2008.12.06(Sat.)
■彼の名はウォーリー。地球型ゴミ処理ロボット。
700年もの間、人間のゴミを片付け続けた。
どんなときも、たったひとりで。
この冬、ついに(奇跡の出会い)が訪れる。


原題:Wall-E
監督:アンドリュー・スタントン
脚本:アンドリュー・スタントン、ジム・リードン
製作総指揮:ジョン・ラセター
製作:ジム・モリス、リンゼイ・コリンズ
撮影:ジェレミー・ラスキー、ダニエル・フェインバーグ
音楽:トーマス・ニューマン
美術:ラルフ・エッグルストン
原案:アンドリュー・スタントン、ピート・ドクター
サウンド・デザイン:ベン・バート
主題歌:ピーター・ガブリエル
声の出演:ベン・バート、エリッサ・ナイト、ジェフ・ガーリン、
フレッド・ウィラード、マッキントーク、ジョン・ラッツェンバーガー、
キャシー・ナジミー、シガニー・ウィーバー
製作国:2008年アメリカ映画
上映時間:1時間43分 配給:ディズニー 「ウォーリー」公式サイト

【マクタロウ】
やっと公開されたピクサー最新作。
予告から「私の好きなパターンかも」と楽しみにしていたウォーリー君。
期待通り、いや期待以上のかわいらしさでたまりませんでした。
片言の言葉しか話せないけなげなロボット。
これは「アイアン・ジャイアント」に通じる、私の好きなキャラクターなのだ。
イヴァ(イヴ)が大好き、イヴァを助け出したい、イヴァと手をつなぎたい・・・

それだけがウォーリーの行動原理。その一途さがたまらなく愛しい。
ピクサーのキャラクターはいつも、たいへん魅力的なのだが、本作における、
メインのキャラクターから(ほとんど)言葉を奪っての感情表現は実に見事。
これまでにも短編などでサイレント作品を手がけてきた成果が、遺憾無く発揮されている。
ウォーリーを初めとするロボット達の一つ一つの仕草、動きや彼らの感情が
丁寧に描かれているので台詞はなくとも彼らが感じていること、
思っていることはしっかりと観客に伝わってくるのだ。

一つ一つ、ここが良かった、あそこが泣けたと解説することは、ばかばかしい。
とにかく未見の方はぜひ映画館で観て欲しい。

【マクノスケ】
今年の大本命(「ヘルボーイ」が来年になってしまったので)と意気込んで行った想いに
見事に応える素晴らしい出来に感激ーー!! いや、ホントに面白かった。
そしてウォーリーの健気さ、その仕草の可愛らしさにマクタロウともうメロメロ。
観賞後、3種類出ているフィギュアを見ながら、真ん中の大きさのヤツ(6800円だったかな?)が
ニニさんサイズかなーなんどと話したりしたんですが、予算がないので、
イヴのミニタオルとクリスマスカードだけ買って帰って来ました。
いや〜それにしてもウォーリー。可愛かったなあ。
やることなすことギャグテイストで(笑)、それにあのコレクター気質。なんかすごく共感しちゃう。
あそこまで人間臭く描ける作り手のキャラクターの作り込みに本当に感心しました。
あ、あとSWファンとしては、ベン・バートさんの声にときめきましたよん。(うふ!)

で、ですね。帰って来てからNHKBSで「お宝テレビ」を見たんですけどね。
「鉄腕アトム」と「未来少年コナン」の特集で・・・
「コナン」のコーナーには大塚(康夫)さん=「ルパン」や「コナン」で
キャラデザをやっている方・・・がゲストで出ていたんですよー!!
いやー茶屋主人(大塚さんのサイトでの呼び名)、ジムシーのモデルだったんですね。
で「コナン」のストーリーを最終回まで紹介していったんですけど・・・
「のこされ島」にやって来たラナを追ってインダストリアまで行き、
最後は人々と「のこされ島」に帰ってくると言うストーリー!!!!!!
なんか・・・「ウォーリー」・・・????
もしかしてPIXARのスタッフ、下敷きにしてたりなんかしちゃってる??
いや、それはそれで楽しくていいなーと思ってウハウハしてたりなんかするんですけどねえ。



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■2008. 11月
  レッドクリフ Part I / 彼が二度愛したS / 落下の王国 /X-ファイル:真実を求めて /

X-ファイル:真実を求めて 2008.11.24(Mon.)
■それは、人間が触れてはいけない「力」

原題:The X-Files: I Want to Believe
監督:クリス・カーター
脚本・製作:クリス・カーター、フランク・スポットニッツ
製作総指揮:ブレント・オコナー
撮影:ビル・ロー
美術:マーク・フリーボーン
音楽:マーク・スノウ
出演:デビッド・ドゥカブニー、ジリアン・アンダーソン、アマンダ・ピート、
ビリー・コノリー、アルビン・“イグジビット”・ジョイナー、
ザンサ・ラドリー、カラム・キース・レニー、アダム・ゴドリー、
ニッキー・エイコックス
製作国:2008年アメリカ映画
上映時間:1時間44分 配給:20世紀フォックス映画
「X-ファイル:真実を求めて」公式サイト

【マクタロウ】
テレビシリーズも中途半端にしか観ていない自分は、その後のモロダー&スカリーがどのような関係になっていたのかさっぱり分からず、とまどうことばかり。
まあ、そんなことは覚悟の上、今回のお話が面白ければそれで良い、と思っていたのだが。
しかし、やっぱり「Xファイル」。雰囲気だけで画面を作り、ストーリーを展開させるところは相変わらず。
結局、分かったようでいて、よく分からない事件でした。
せめてテーマ曲ぐらいはフルコーラス聞かせて欲しかった。

【マクノスケ】
興味本位と言うか・・・ モロダーとスカリーが見たい・・というだけで見た「X-ファイル」。実は9シリーズあるうちの3シリーズ(それも飛び飛び)しか見ていないので、モロダーとスカリーの関係がどうなっていたのかもわからず見たのもあり、人間関係に完全に置いてきぼりを食ってしまったんですが、どうやらモロダー君とスカリーは、ベッドをひとつにする関係になっていたと見え、ラブシーンも登場。

行方不明になったFBI捜査官を探すという目的で復帰したモロダー君に絡む「事件のビジョンを見る事が出来る」という過去に性的犯罪を犯した神父が、事件のキーパーソンになって行くのですが、この能力もどことなく曖昧。で、他にこれと言って宇宙人も超常現象も出てこないおよそ「X-ファイル」らしからぬ展開。 印象としては、モロダー君とスカリーというキャラを使った臓器移植に絡む猟奇殺人事件もの・・・と言った感じ。

感想を書くために調べてみたら、監督のクリス・カーターが「今回の映画では最初から宇宙人の物語を排除して企画した」と言っているらしい・・・うーむー。まあねえ。昨今、ヒーロー物もシリアス路線になって来ているので「X−ファイル」も大人の展開を狙って作ってみたら、ファンには、あまりウケが良くなかったってところでしょうか?(向こうでの成績があまり良くないみたい。)

「何かを信じて生きる」「あきらめない」というテーマは、ぐっと来る物もありましたが、物語的にも説明不足の点もあり(ロシアの医師団って何だったのか?)、エンドクレジットのあとのおまけシーンは、どう取ったら良いのかわからず・・・。「ふたりはしあわせ。みんなさよならー」って意味?(笑) ジリアン・アンダーソン(スカリー)も、実生活では3人目の子供を妊娠し、現在40歳。 前作「Xファイル ザ・ムービー」が98年だから、10年の歳月って確実にお肌に来るのねーと俗っぽく思ってしまった私。確実に私も老化してるって事ですが・・・。(^^;)



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落下の王国 2008.11.24(Mon.)
■君にささげる、世界にたったひとつの作り話。

原題:The Fall
監督:ターセム
脚本:ダン・ギルロイ、ニコ・ソウルタナキス、ターセム
製作総指揮:アジット・シン、トミー・タートル
製作:ターセム、ニコ・ソウルタナキス、ライオネル・コップ
撮影:コリン・ワトキンソン
音楽:クリシュナ・レビ
美術:ゲド・クラーク
衣装:石岡瑛子
出演:リー・ぺイス、カティンカ・アンタルー、
ジャスティン・ワデル、ダニエル・カルタジローン、
エミール・ホスティナ、ロビン・スミス、 ジートゥー・バーマ、
レオ・ビル、ジュリアン・ブリーチ、マーカス・ウェズリー
製作国:2006年アメリカ映画
上映時間:1時間58分 配給:ムービーアイ
「落下の王国」公式サイト

【マクタロウ】
スローモーションの白黒映像。「落下の王国」はオープニングからその映像の美しさを主張している。
ロイ(リー・ベイス)が語る夢物語の描写は、そのロケーションの素晴らしさと石岡瑛子が手がけた衣装の美しさで息をのむほどだ。
だが、その内容はただの映像叙事詩にとどまることはない。入れ子細工の構成は、現実のエピソードと同様におとぎ話の結末まで目が離せず面白い。
ロイがアレクサンドリア(カティンカ・ウンタルー)に聞かせるおとぎ話の本当の目的、彼が負っていた心の傷が明らかになるにつれてアン・ハッピーエンドに向かっていくストーリー。
失恋の痛手から自ら人生の幕を下ろそうとしていたロイのストーリーが徐々に自らの心の吐露となっていく終盤、アレクサンドリアの純真さ、彼女の切なる願いに心を打たれるロイ。
彼のストーリーと彼女のストーリーが交わり、ロイはアレクサンドリアを受け入れた事により生きる希望を見いだす。エピローグのスタントシーンを集めた映像に、幾多のスタントマンに対する敬意が感じられ、映画に対する賛歌という一面も感じられた。
役者は私に知らない方達ばかりだったが、アレクサンドリア役のカティンカ・ウンタルーの自然さには舌を巻いた。
子供と動物には勝てないとは言うが、あれほど演技に見えない、素の少女はちょっといないだろう。

【マクノスケ】
「落下の王国」は「ザ・セル」(私は未見)の鬼才・ターセム監督が、世界24ヵ国以上でロケを敢行して撮り上げた絢爛豪華な愛と感動の映像叙事詩。事故で下半身不随となり、自暴自棄になったスタントマンと骨折で入院中の一人の少女の心の交流を軸に、スタントマンが少女に思いつくままに語るおとぎ話をエキゾティックかつイマジネーション溢れる映像美で描き出した2006年の作品。 (allcinema.netの作品解説より)

その上この男が失恋していて自殺願望があり、少女におとぎ話を話すのを餌に、自殺するための薬を盗ませるって展開なんですが、それがどう消化されて行くのかという過程も見応えのひとつでした。少女アレクサンドリアを演じるカティンカ・ウンタルーの笑顔や泣き顔があまりにも素なのにはビックリ。後でパンフを読んだところ、病院でのシーンは即興だったそうで、それを1本の映画としてまとめ上げる監督の手腕にも驚きました。

おとぎ話に登場する世界各地をロケして回ったと言うロケーションも素晴らしく、少女との会話でどんどんと変わっていくおとぎ話の展開も面白かったです。少女の無垢な想いが傷ついたスタントマンの男を再生させると言う現実部分と男と少女が進めるおとぎ話の配分も申し分なく、今年見た映画の中では上位に入れたい作品となりました。



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彼が二度愛したS 2008.11.16(Sun.)
■会員制秘密クラブのルール
I 名前や職業を聞いてはいけない
II 待ち合わせはホテル
II 待ち合わせはホテル
III 手荒なことは禁止
IV 合い言葉「Are You Free Tonight?」
選ばれたエグゼクティブだけが集う秘密クラブ。
導くのはエリート弁護士、ハマったのは孤独な男。
待っていたのは運命の女と、罠──。


[監]マーセル・ランゲネッガー
[製][出]ヒュー・ジャックマン
[出]ユアン・マクレガー ミシェル・ウィリアムズ シャーロット・ランプリング マギーQ
[制作データ] 2007米/ショウゲート [上映時間] 108分・PG-12
「彼が二度愛したS」公式サイト

【マクタロウ】
サスペンス映画なのに、ご都合主義が過ぎると目も当てられない作品になってしまうという見本。
もし、主人公ジョナサン(ユアン・マクレガー)がデートクラブにはまらなかったら?
彼がSのことを好きにならなかったら?
どうして犯人ジェイミー(ヒュー・ジャックマン)は、目的をジョナサンに話した後、携帯電話を回収しなかったのか(偉そうなことを言っている割に間抜けな犯人)?
犯人を射殺したSは、このまま逃げのびていくのか?
ジョナサンも犯罪者として指名手配されるのでは(裏金の件は分からないが、少なくともジェイミー殺害の容疑者だろう)?
とりあえず思いついた疑問を書いてみた。特にラストは、一見「犯人も死んだし、彼女も帰ってきてよかったね」と言いたげだが、上記の疑問が残るため実は何一つ解決していないというひどさ。
主役の二人に加え、シャーロット・ランプリングがワンエピソードだけの出演をしているところなど配役だけは贅沢なのだが、お話が出来ていないのではどうにもならない。

【マクノスケ】
売りは官能サスペンス! 原題は「偽装」という意味。
売春クラブにのめり込んじゃった純朴な会計士ユアンがそのひとりに恋をしてしまうわけなんですが、まあ予告からもわかる通り、これがヒュー様の罠だったわけですな。偶然を装い知り合って、クラブに誘い込んで騙くらかして、会計士のユアンを利用して金を巻き上げるっちゅー展開で・・・。
ヒロインのミッシェル・ウィリアムズ(故ヒース・レッッジャーとの間に一子あり)やヒュー様、ユアンの演技合戦は、まずまずなところがあり、ユアンのセクシーシーン(ブリーフ1枚!)やヒュー様の歌なども楽しめて、それなりにお得感はあるんですが、結末がなあ〜。

売春クラブを登場させた意味や携帯を奪い返さない等、数々の謎は話を面白くするためとしても、ラスト、ヒロインがヒュー様を撃ち殺しちゃうって言うのどうなんでしょうねえ。それじゃあ元も子もないというか・・・心情として彼女を人殺しにしちゃいかんだろう!!・・・って思っちゃったんですよ。
それからもう1点。ヒュー様は悪(ワル)だから偽名パスポートはどこかで手に入れる事も出来たとは思うんですが、ユアンがどこからあのパスポートを手に入れたのか疑問かなあ。
・・・って、ラスト。唐突に広場に現れるヒロインも????
ヒュー様の死体から足がついてユアンに捜査の手が伸びると思うのですが、あの二人はずっと逃亡生活なのか???わからーーん!!



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レッドクリフ Part I 2008.11.08(Sat.)
■帝国が、襲ってくる。 信じる心、残っているか。

原題:赤壁
監督:ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー、カン・チャン、コー・ジェン、ジン・ハーユ
製作総指揮:ハン・サンピン、松浦勝人、ウー・ケボ、
千葉龍平、チン・ウェン・ハン、キム・ウデク、ユ・ジョンフン、ジョン・ウー
製作:テレンス・チャン、ジョン・ウー
撮影:リュイ・ユエ、チェン・リー
音楽:岩代太郎
アクション撮影:コリー・ユン
出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、
チャン・チェン、ビッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童、
リン・チーリン、ユウ・ヨン、ホウ・ヨン、トン・ダーウェイ、
ソン・ジア、バーサンジャブ、ザン・ジンシェン、チャン・サン
製作国:2008年アメリカ・中国・日本・台湾・韓国合作映画
上映時間:2時間25分
配給:東宝東和、エイベックス・エンタテインメント
「レッドクリフ Part I」公式サイト

【マクタロウ】
吉川英治の「三国志」を読んだのは、もう20年以上前のことだろうか。今では詳細どころか、ストーリーの展開も忘れてしまっている。
それでも「赤壁の戦い」という言葉や主要登場人物の名前などは覚えているもので、特に趙雲が劉備の子供を助け出し、馬で駆けるシーンは最高にかっこよかった。
そのエピソードが物語のどのあたりにあったのかはすっかり忘れていたのだけど、なんと映画の冒頭で展開されるではないか。もう、これだけでお腹いっぱい。いきなりのクライマックスです。
もちろん、その後も「男達の熱い戦い」満載で、久しぶりに男の友情、信義といったものを見せていただきました。 紅一点で周瑜の妻、小喬がいるけど、どちらかというと孫権の妹で男勝りな尚香がコミカルな部分を担当していて魅力的だ。
関羽、張飛など、お馴染みのキャラクターは小説からイメージしていたままだが、孔明の金城武はちょっと人の良さが出過ぎていて、軍師としての重みが足りない。金城武は好きな方だけどね(金城武と中村獅童というキャスティングはエイベックスの圧力?)。
「三国志」の映像化を長年希望していたジョン・ウー監督、やや力みすぎと感じる部分はあるものの、彼ならではの映像で展開される「赤壁の戦い」。もちろん後編も期待しております。

【マクノスケ】
ジャンルは好きな物の、「三国志」を全く知らない状態でどこまで楽しめるのか不安だったのですが、とりあえずNHKの「その時歴史は動いた」を見て大まかに予習。その後、2年ぶりにまとめ読みしたわぐちかいじの漫画「太陽の黙示録」が「三国志」をモチーフに描かれていて、主要人物のキャラクター名が「三国志」から取られている事(柳舷一郎=劉備、宗方操=曹操、孫市権作=孫権など他にも多数)を知ったことが今回「レッドクリフ」を見るのに大いに役に立ちました。 たぶん「三国志」を読んだことがない方でも「太陽の黙示録」を読んでいる方だったら、人間関係といい、キャラクターの生い立ちといい、似通っている部分が多いのでわかりやすいのではないかと思います。

…という訳で「三国志」を知らない私でも冒頭の日本独自(?)の解説と執拗に出てくる人物名の説明字幕+「太陽の黙示録」で得た知識でキャラクター名も普通に理解することが出来て、145分の長丁場を、ノリノリのカンフー風のアクションとスローモーション炸裂というジョン・ウー演出に酔いしれる事が出来ました。ただ予想していなかったのが周瑜が主役だったってこと! 私は勝手なイメージで劉備、孔明辺りが主役だと思っていたんですよ。 途中、戦闘の指揮を取っている周瑜が忽然と姿を消した辺りで、 「あ!トニー・レオンと言えば「HERO」でのアクションがあった!!」と理解する始末。 その後の見事なカンフー的なアクションの数々はこの作品の一番の見せ場になってましたし、それまでの「笛」や「琴」「筆」「馬」(萌萌!!)など次々と積み重ねられていたエピソードも彼が主役だからなんだーと言うことにようやく気づくという有様。(情けないそ!私!!)

でもねえ。トニーたんがどんなに素敵でも、やっぱり趙雲が格好良すぎ!赤ちゃんを救い白馬で颯爽と駆け抜ける・・・なんて素敵過ぎるぞー!それから私的に大爆笑だったのが「八卦の陣」の時の張飛!!!もう体当たりで敵をぶっ飛ばすところが「太陽の黙示録」の張を彷彿とさせて、あまりにまんまなのが可笑しくて・・・笑いを堪えるのが必死でした。いや〜これは PartUが楽しみです!



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■2008. 10月
  アクロス・ザ・ユニバース /

アクロス・ザ・ユニバース 2008.10.18(Sat.)
■All You Need Is Love 愛こそすべて

原題:Across the Universe
監督:ジュリー・テイモア
脚本:ジュリー・テイモア、ディック・クレメント
製作:マシュー・グロス、ジェニファー・トッド、スザンヌ・トッド
撮影:ブリュノ・デルボネル
音楽:エリオット・ゴールデンサル
美術:マーク・フリードバーグ
出演:エバン・レイチェル・ウッド、ジム・スタージェス、
ジョー・アンダーソン、デイナ・ヒュークス、
マーティン・ルーサー・マッコイ、T・V・カーピオ、ボノ、サルマ・ハエック
製作国:2007年アメリカ映画
上映時間:2時間11分 配給:東北新社
「アクロス・ザ・ユニバース」公式サイト

【マクタロウ】
ビートルズのナンバーで綴られる青春物語。
リバプールの造船所で働く主人公ジュード(ジム・スタージェス)が、父を捜しにアメリカへ渡る。
時は激動の60年代。父が働く大学で知り合ったマックス(ジョー・アンダーソン)や彼の妹ルーシー(エヴァン・レイチェル・ウッド)らと付き合う内に、時代の波に飲み込まれていくジュード。
しかし、彼はイギリス人故に徴兵されることもない。その一歩引いた視点から見るアメリカ60年代史というスタンスが面白い。この間合いがあるから物語が深刻になりすぎず、爽やかなラブストーリーとして成り立っているのではないだろうか。歌詞と映像のマッチングは絶妙で、改めてビートルズ作品の良さを認識した。
しかし、鑑賞中は頭の片隅に「ピンク・フロイド/ザ・ウォール」がちらちらとしていた。
あえて比較するわけではないが、所々それを思わせる部分があったのだ(徴兵検査のシーン、主人公の彼女が平和運動家に肩入れしていく展開など)。
ただ、あちらはロジャー・ウォーターズが作り上げた作品の映像化だったのに対し、本作はビートルズのナンバーを借りたミュージカルだという違いと、物語がハッピーエンドをむかえるという部分はやはり、時代のせいだろう。このことは両グループの音楽性の違い以上に、映画的には重要なことなのだと思う。

最後に。やはりビートルズマニアだったら、私の倍以上楽しめたのだろうなあ。

【マクノスケ】
いつだったか「ボノ」を調べている時にこの映画の予告に辿り着いて面白そうだなあと思っていたのでした。
今回、ご近所のシネコンで上映されると言うので喜んで見に行ってきました。
ビートルズが活動していた時代、私は2歳から10歳。
10歳の頃アニメにハマった私には、当然何の接点もなく 指して関心もなく時代は流れていったのですが、さすがに彼らの曲は今やスタンダードとなって、そんな私でも 有名処は知っている状態でした。

この映画は「ビートルズ」の歌をミュージカルにし、60年代のベトナム戦争を背景に生きる若者たちの苦悩と青春を 描いているのですが、その状況やキャラの心境に、あの歌、この歌・・・よくそのフレーズを持ってきた!!…というくらい ハマった選曲で感心することしきり。 それに加えて監督が舞台「ライオンキング」の演出で名を馳せたジュリー・テイモア故、映像が斬新!! 状況を説明するだけでなく、ミュージカルならではのイメージ映像の美しさには目を見張る物がありました。

ラスト、反戦運動が原因で、一端別れた主人公とヒロインが、再会し唄い合うシーンは、わかっちゃいますが泣けましたねえ。 All You Need Is Love! 愛こそすべて・・・この映画も素晴らしいけれど、やっぱりビートルズって凄いなあとつくづく思っちゃいました。 それにしてもマクタロウも↑で書いている通り、ビートルズ好きだったら、もっと楽しめたんだろうなあ。



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■2008. 9月
  幸せの1ページ / アキレスと亀 / 次郎長三国志 /アイアンマン /

アイアンマン 2008.9.27(Sat.)
■装着せよ−強き自分

原題:Iron Man
監督:ジョン・ファブロー
脚本:マーク・ファーガス、ホーク・オストビー、
アート・マーカム、マット・ホロウェイ
製作総指揮:ルイス・デスポジート、ピーター・ピリングスリー、
アビ・アラド、スタン・リー、デビッド・メイゼル、ジョン・ファブロー
製作:アビ・アラド、ケビン・フェイグ
撮影:マシュー・リバティーク
音楽:ラミン・ジャワディ
美術:J・マイケル・リーバ
視覚効果:ジョン・ネルソン
出演:ロバート・ダウニー・Jr.、テレンス・ハワード、ジェフ・ブリッジス、グウィネス・パルトロウ、
ショーン・トーブ、ファラン・タヒール、レスリー・ビブ
製作国:2008年アメリカ映画
上映時間:2時間5分 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
「アイアンマン」公式サイト

【マクタロウ】
最近のアメコミ映画では一番の面白さだった(残念ながらハルクは観ることが出来なかったが)。
大手兵器製造会社の社長トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)がテロリストに拉致されたことから、自らが生み出してきたものと対峙し、考えを改め、自分の才能と技術を平和のために使おうとする。
現在のアメリカが掲げる「テロ撲滅」を体現するようなキャラクターだが、そこはあまり深く考えずに作品を楽しむ方が良いだろう。
キャラクターの描写はそつが無い。中でもトニーと秘書のペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)の微妙な関係が良い。「2」も決定していることなので、二人の関係がどう展開するのか楽しみだ。
だが、最大の魅力はタイトル通り「アイアンマン」のデザイン。マーク1の未完成な無骨さ、マーク2、3の洗練された格好良さ、特にマーク3のカラーリングは美しい。
本作はいわば「誕生編」だったが、次回作では更に大活躍するアイアンマンが観られるものと期待する。

【マクノスケ】
「アイアンマン」は、今年「ヘルボーイ」の次に期待していた作品。(結局「ヘルボーイ・ゴールデンアーミー」は来年1月9日の上映になりましたが…。)アメコミは読んでいませんが、この手の作品好きの私。そちら方面の方のブログを読んでは期待に胸をふくらませていたんですが、思った以上に人間ドラマもあり特撮シーンも胸が躍って良い気持ちで帰宅しました。

主役のトニー・スターク演じるロバート・ダウニー・ジュニアですが、あの髭はどうなの〜と思っていたら、それがまたセクシーで良かったです。(笑)冒頭のダメージを受けたシーンの目つきなんか演技とは思えない程!自身も芸能一家に生まれ、何度も麻薬に溺れながらも俳優復帰を果たしているだけに経験が生きたのか?(笑)・・・と思わせるほどの熱演でした。ヒロイン・ペッパー・ポッツを演じるグウィネス・パルトローもかなりの活躍で嬉しかったです。もしかして「アイアンマン」より活躍してるんじゃあ?(スターク社長、彼女には2度命を救われてますもんねー!)パルトローも35歳とは思えない可愛いらしさで、社長とくっつきそうでくっつかない関係にこれまたそそられましたよー。 あとは昔からちょっと好きだったジェフ・ブリッジス。 「スターマン」(84年の映画)の時は鹿を生き返らせてやった彼が(笑)、こんな役を!(って、最近の役はみんな怪しいけど!)ちょこっと出るだけの役かと思ったら、おぉ!こんなにーーーと熱くなって見ました。結構ファッショナブルな役でしたね。持ってる武器が怖かったけど。

あとはコンピューターのジャービス!!ポール・ベタニーくんが声の出演やっていて、これまた燃えましたね!なんか「ナイトライダー」のマイケルとキットみたいな関係でワクワクしちゃいましたよ〜。 それから、メイス・ウィンドウの人が(って、ぼかして書いているつもり)出るのは知っていましたが、あの役柄って・・・。ヒュー・ジャックマンやエドワード・ノートン、トビー・マグワイアとの共演も夢ではないのかしら?(え?無理?そうですよね。)



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次郎長三国志 2008.9.23(Tue.)
■義理にゃ弱いが喧嘩にゃ強い── 東海道の暴れん坊、 次郎長一家が帰ってくる!!

監督:マキノ雅彦
脚本:大森寿美男
原作:村上元三
音楽:宇崎竜童
出演:中井貴一、鈴木京香、北村一輝、温水洋一、近藤芳正、
笹野高史、岸部一徳、佐藤浩市、大友康平、木下ほうか、山中聡、
真由子、高岡早紀、木村佳乃、ともさかりえ、いしのようこ、とよた真帆、
前田亜季、荻野目慶子、蛭子能収、長門裕之、竹内力
製作国:2007年日本映画
上映時間:2時間6分 配給:角川映画
「次郎長三国志」公式サイト

【マクタロウ】
これはもう痛快時代劇というにふさわしい作品。
中井貴一の次郎長はどうなの?という不安はあったが、その描かれ方の良さからか、それはもうりっぱな親分さんでした。
子分達のキャスティングも面白く(森の石松に温水洋一なんて!!)それぞれの見せ場もあり、文句なく楽しめる。
物語の悪役は、最大のライバル黒駒の勝蔵ではなく、三馬政というところはちょっと残念だが、その三馬政を竹内力が怪演。一人だけ別の作品の登場人物の様なのだが、それもまた楽しい。
次郎長とお蝶(鈴木京香)との夫婦愛、法印の大五郎(笹野高史)の恋、桶屋の鬼吉(近藤芳正)と両親のエピソードなど、泣かせどころもしっかり押さえてある。
鑑賞していた人達の年齢層は(やっぱり)高め。若い連中に媚びを売るような作品ばかりでなく、本作のような大人が楽しめる娯楽作品を増やして欲しいと感じた。

【マクノスケ】
暫く前から映画館で予告を見て痛快なところと「相棒」を見てから気になっていた岸辺一徳さんが大政役で出ているのとで大乗り気で見に行ったところ、随所で泣かされ、見終わったあと目が真っ赤!

やくざ者の次郎長(中井貴一)がお蝶(鈴木京香)と結婚するところから物語は始まります。結婚直後にゴタゴタに巻き込まれ渡世の旅へ。何年か放浪し石松(温水洋一)と出会い、故郷清水へ帰ってきた次郎長一家の前に立ちはだかる黒駒の勝蔵(佐藤浩市)や三馬政(竹内力)! 彼らとの闘いの結末や如何に〜。
…って、力さん、ビジュアルが凄すぎる。茶髪で長髪!時代を間違えてんじゃないか〜と野暮な突っ込みも吹き飛ぶ大熱演。一番泣かされたのは法印の大五郎(笹野高史)。 笹野さんの演技も素じゃないのかっていうくらい自然に泣いてて上手すぎるくらい上手い!

一方主役の中井貴一、あまり好きじゃないんですが、これまた格好良く見えるのは監督の演出が良かったからなのかしら?(監督はマキノ雅彦=津川雅彦)ちょっとお蝶の演技がひと昔前のお芝居のような臭さがあったけど、あれも監督の狙いかな。目当ての岸部さんも泣けるシーンあり、途中から次郎長一家の仲間入りをする大野の鶴吉(木下ほうか)の奥さん・おきんを演じてる女優さんが、これまた威勢が良くていいなあと思ったら津川さんの娘さんの「真由子」さんという女優さんでした。これからの活躍が楽しみです!



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アキレスと亀 2008.9.20(Sat.)
■スキ、だけど。スキ、だから。
夢を追いかける夫婦の物語。


監督・脚本:北野武
製作:森昌行、吉田多喜男
撮影:柳島克己
音楽:梶浦由記
美術:磯田典宏

編集・挿入画:北野武 出演・ ビートたけし、樋口可南子、柳憂怜、
麻生久美子、中尾彬、伊武雅刀、 大杉漣、筒井真理子、吉岡澪皇、
徳永えり、大森南朋
製作国:2008年日本映画
上映時間:1時間59分 配給:東京テアトル、オフィス北野
「アキレスと亀」公式サイト

【マクタロウ】
久しぶりに観る北野武監督作品。
ここ何作かはあまりにも実験的な要素が強そうな作品ばかりだったのでパスしていたのだけど、本作は本来の北野作品らしさを感じたので映画館に足を運んだ。
冒頭、突然アニメーションから始まるので驚くが、ここで「アキレスと亀」のパラドックスを説明してくれるので「なるほど」と素直に感心する。
予告などでは「夫婦愛」を強調しているように感じたが、内容は「真知寿の芸術残酷物語」といった趣である。
子供の頃、他人より画を描くことが好きで、画が上手かった。それを本職に褒められたものだから本人は画家気分。
画のことしか考えられない不器用な生き方。青年から中年と、年を取っても相変わらずの売れない画家。やがては娘の死をきっかけに妻にも逃げられ、自殺を試みるところまで落ちていく。
こう書いていくと陰々滅々とした話のようだが、北野監督独特の語り口は、淡々としていながらも随所に笑いもあり楽しめる。
また、監督がいつもテーマの一つとしている「死」は、いつも主人公真知寿の隣にあり、描写こそ淡々としているものの、確実に彼の人生観を形作る要素となっている。
これまで観てきた北野作品では、主人公自身が自らの落とし前を最後に付けるという印象が強かったが、本作は死ぬことさえもできなかった不器用な真知寿が妻の愛によって救われるというラストである。それは爽やかな余韻を残す。北野武、新境地と言えるのかは疑問だが、本作を撮っていた時点での北野監督の心境のようなものは分かる気がした。

【マクノスケ】
私が見た北野作品は「HANA-BI」「菊次郎の夏」「BROTHER」の3本だけですが、どれも話しの端々に切なさとおかしさが同居していて良かった印象があるのですが、今回もそれは健在。絵を描くことが何より好きで、絵を描き、いつかそれで成功しようとする主人公真知寿と彼の支えである妻・幸子の生き様をじっくりと描いています。

とは言え、物語の半分くらいまでは、真知寿の幼少時代と青年時代のお話。悲惨な体験を繰り返しながらも、絵一筋の真知寿の姿が丹念に綴られていきます。時には電車をスケッチするために電車を止め、時には新聞配達の途中に配達を忘れてまで絵に没頭する真知寿。妻・幸子と結婚してからは更に絵へのアプローチがヒートアップ!

彼の良き理解者である幸子が彼の手足となり、様々な絵の洋式に挑戦。幸子を演じる樋口可南子の一生懸命な演技が光っています。作中に使われていた絵画は、全て武の書き下ろし。そのあまりの膨大な量に頭が下がりました。絵を描くことしか出来なかった不幸な男が、最後に手に入れた唯一の宝物に救われました。堪えていた涙が流れました。



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幸せの1ページ 2008.9.06(Sat.)
■人生なんて、 たった1行で変えられる。 ひきこもりの冒険作家にドアを開けさせたのは、 南の島の少女からのSOSメールだった!

[監][脚]ジェニファー・フラケット マーク・レビン
[原]ウェンディ・オルー
[製][脚]ポーラ・マズール
[出]ジョディ・フォスター アビゲイル・ブレスリン ジェラルド・バトラー
[制作データ] 2008米/角川映画 [上映時間] 96分
「幸せの1ページ」公式サイト

【マクタロウ】
最近はすっかり「戦うお母さん」役ばかりで、作品もぱっとしないジョディ・フォスターだが、本作のコメディエンヌぶりは、新たな一面を観ることが出来てなかなか良い。
ただし、作品はお子様向けファンタジーなので、ジョディ・フォスターのラブコメを期待した人はがっかりしただろう。
研究の為に海に出て、嵐で船が壊れ遭難しそうな父ジャック(ジェラルド・バトラー)、島にたった一人(オットセイやトカゲの友達はいるけど)で残され父の安否を気遣う少女ニム(アビゲイル・ブレスリン)、少女の助けに答えようと奮闘する引きこもりの作家アレックス(ジョディ・フォスター)。
この三者がそれぞれの立場で困難を克服していく様が楽しく描かれていて好感が持てる。
いざ外出!!と決意して玄関へ向かうアレックスと、アレックスからの質問に答えるために火山へと登るニムをカットバックで描き、両者が同等の決意で行動していると示す演出は楽しく、素晴らしい。
楽しいと言えば、オープニング、エンディング共に仕掛け絵本のよう。久しぶりのお子様向け作品の良作だった。

【マクノスケ】
ジョディ・フォスターのコメディアンヌ振りを楽しみに行ったんですが、確かにジョディ・フォスターは、かなりの登場シーンがありますが、主人公はニムという少女。タイトルも「NIM'S ISLAND」で、そう言えば、先週本屋の児童書のコーナーで原作を見掛けたような・・・。むむ?もしかして・・・。

そうなんです。私はてっきり、この児童書を元に、ジョディ・フォスターを主人公に書き替えたロマンチックコメディなのかと思っていたんです。ところが、これが、直球勝負の児童向け冒険ファンタジー!!ニムのお父さんとジョディ・フォスターが書く冒険小説の主人公、アレックス・ローバーをジェラルド・バトラーが、とっても楽しそうに演じていて、冒頭やエンドロールのアニメも夢がいっぱい詰まっていてまずまず楽しめました。

ジョディ・フォスター演じるアレクサンドラが、極度の潔癖症な上に、自分の創造した小説の主人公と妄想で話が出来るって言う設定が、ありがちかもしれないけれど、ジョディ・フォスターとジェラルド・バトラーの好演もあって楽しかったですね。彼女の中のもう一人の人格であるアレックス・ローバーが、どうなって行くのかもお楽しみのひとつ。 しかし、ニムと生活を共にしているペリカンのガリレオ!!!大活躍でした。(笑) あいつがいたから、お父さん、助かったと言っても過言ではないと思います。ウチにも1羽欲しい! ・・・って、火山はどうなったんだろうか?気になる。



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