■祖国を守るため、彼女を守るしかなかった…
[監]樋口真嗣
[原]福井晴敏
[製]亀山千広
[脚]鈴木智
[歌]ヘイリー
[出]役所広司 妻夫木聡 堤真一 柳葉敏郎 香椎由宇 石黒賢 小野武彦 佐藤隆太 ピエール瀧 橋爪功 國村隼
[制作データ] 2004東宝
[上映時間] 128分
■「ローレライ」公式サイト
【マクノスケ】
「ローレライ」は「ガメラ」の特技監督樋口真嗣の初監督作品ということでSFアクション好きとしては、それなりに楽しみにしていたんですが、悪くはないけど今ひとつと言った印象。
私としてはヒロインのパウラの能力が発揮されるシーンを期待していたんですが、そう言ったおたくが喜びそうなシーンは全くなかったのが残念。
監督としては一般ウケする「戦争映画」として作ったのかもしれないけれど、せっかくのネタが生きていないような気がしました。それと彼女が乗組員と打ち解けて行く様子がもっと挿入されていた方良かったんじゃないかなあ。
それとも思い切って妻夫木くんを主人公にして、もっと特効の立場とかパウラとの交流を描いた方がおもしろいものになったんじゃないかと思います。
音楽は(佐藤直紀さん)は、鳴らし過ぎだったかな。
もっと違う人が担当していたら映画の印象も変わっていたのかもしれません。
【マクタロウ】
平成ガメラシリーズで私を興奮させてくれた樋口真嗣特技監督、初の本編監督作品。
どうしても「あの」樋口監督が、どのような映像を見せてくれるのかと期待してしまうが人情というもの。さて、その映像がどうだったかと言うと・・・。
まずは特撮シーンについてだが、どうしてあんなに質感も重量感もない映像になってしまうのだろう。
動きも、海上を滑るように進む「伊−507」にはがっかりしたし、アメリカ駆逐艦との戦いも、燃えるようなカットはない。
離陸前のB−29を正面から捉えたカットは良い感じだったが、これだけでは「まだまだ日本のCGは使い物にならないのでは」と言いたくなる(水中のシーンは暗いこともあり、あまり気にならないのだが)。
ストーリーは、事前に「超能力少女」が絡むことを知っていたので、驚くこともなく観られた。
登場人物のセリフやテーマは、重いことを語っているのに、その「重さ」が伝わってこないのは役者のせいだけでもないだろう。やはり演出が重要であり、本作のような密室劇は樋口監督には早すぎたのではなかろうか。
「俺たち大人が勝手に始めた戦争で、これ以上お前達子供を犠牲に出来ない」という艦長(役所)の言葉で、「伊−507」から切り離される「N式潜行艇」の姿が、へその尾を付けた赤ん坊のように見え,
象徴的だった。
この作品中最も良かったシーンかもしれない。
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