のほほん映画観賞備忘録・2005年1月〜4月

SF・アクション映画が大好きなマクノスケ&マクタロウの映画鑑賞備忘録です。
ふたりで「のほほ〜ん」と感想を語っています。


■2005年 1月〜4月  基本的にネタばれしておりますので御注意を!
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  【2005】/1月〜4月/5月〜8月9月〜12月

  【1月】エイリアンVSプレデター
  【2月】入院のため映画は見ませんでした。
  【3月】ローレライ/ ロング・エンゲージメント/ ナショナル・トレジャー/ アビエイター
  【4月】鉄人28号/ コンスタンティン/
■2005. 4月
 鉄人28号/ コンスタンティン/

コンスタンティン2005.4.16.(Sat.) 

■天国と地獄のエージェント

[監]フランシス・ローレンス
[原][脚]ケビン・ブロドビン
[出]キアヌ・リーブス レイチェル・ワイズ ジャイモン・ハンスゥ ティルダ・スウィントン シア・ラブーフ
[制作データ] 2004米/ワーナー [上映時間] 121分
■「コンスタンティン」公式サイト

【マクノスケ】
思っていたよりはおもしろかったっていう感じですね。
「ヘルボーイ」ファン的には、いきなり冒頭からねたがかぶっていて「おぉ〜!」と思いましたが、全体的には「エンド・オブ・デイズ」や「ヴァン・ヘルシング」「デビルマン」に近い部分もあり、それはそれで好きな世界観なので、それなりに燃えました。

ただ「神と悪魔の間で翻弄される人間」…という物語の設定が、いささか手あかが付いた印象があり、もう10年早かったら、もっと話題になっていたんじゃないかと思ってみたりもしました。観賞後、ふと思ったのは「善」と「悪」を選択出来る人間が、一番おいしい存在なんじゃないかということ。(笑)その点ガブリエルは人間臭いキャラクターでおもしろかったですね。(役者も好演!でもラストの方のファッションはどういうコンセプトであれになったんだろう?)

しかし「ヘルボーイ」にも登場したあの「アイテム」が、いったいどんな威力をもっているのかが判断に苦しむところ…。牛には影響を与えても人間には与えないのかなあ?まあ、そんな野暮な話は置いておいて、マクタロウとも話になったんですが、もう少し「オカルト」的な映像も欲しかったかな。やっぱり最近のハリウッドはアクション重視という印象を拭えませんでした。キャストは気になる俳優のピーター・ストーメアさん(マーク・ハミルが悪役を演じた「ハミルトン」という作品で主役を演じていました。最近では「マイノリティ・リポート」で目医者を好演。)が、おいしい役をやっていてグッと来ちゃいました。

でも一番おいしかったのは、エンドロールが終わったあとで登場する彼かしら?まあ、話の途中で「もしかしたら彼も?」って思わせるところは2〜3あるんですが、まさか最後の最後にこういうシーンがあるとは思わなかったので、なかなか粋だなあと思ったりして。


【マクタロウ】
キリスト教をネタにした、人間界をめぐる神と悪魔の戦い。
私の大好きなテーマであります。
運命の槍(ロンギヌスの槍)、銀の十字架を溶かして作った弾丸、十字架をかたどった銃、そしてオカルト探偵(?)の主人公。天使ガブリエル、サタン・・・美味しいネタの宝庫です。
ああ・・だけど全てが上辺だけ、ただの「ネタ」にしかなっていない悲しさよ。
監督はミュージックビデオ出身の新人らしいのですが、変なビジュアルに陥らず、かなり普通に演出している点は好感を持ちましたが、せっかく上質のネタを仕入れたのに、味付けが悪くて台無しにしてしまいました。
この作品の場合「アクション風味」ではなく、もっと「オカルト風味」に味付けするべきだったのではないか、と私は思うのです。もっと怪しさが欲しかったのです。
また、小道具の紹介一つとっても、こだわりが感じられません。執着心が感じられないのです。ただ仕事をこなしているだけ。
このような作品は、こだわりを持った監督(「バットマン」のティム・バートン、「ヘルボーイ」のギレルモ・デルトロなど)がやらないと、つまらないものになってしまうと言う事を改めて証明してしまったようです。



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鉄人28号2005.4.02.(Sat.) 

■最後に勇気をふりしぼったのは、いつですか?

[監]冨樫森
[原]横山光輝
[脚]斉藤ひろしほか
[音]千住明
[出]池松壮亮 蒼井優 香川照之 中村嘉葎雄 川原亜矢子 柄本明 薬師丸ひろ子 阿部寛 高岡蒼佑 伊武雅刀
[制作データ] 2004松竹 [上映時間] 114分
■「鉄人28号」公式サイト

【マクノスケ】
部分的にいらないキャラや衣装、髪型など不満はありますが、予想外にロボットのCGがイケていて特に最初の東京タワーのブラックオックスのシーンも萌えました! なんか都心に巨大フィギュアが現れたようで、おもしろい絵になっていました。 そのあとの鉄人とのアクションシーンもなかなかおたく心をくすぐられるものがあって特撮シーンの健闘振りは買いたいと思います。 それと正太郎くんの演技は上手いけど、ちょっとワンパターンだったかな。 もう少し颯爽と明るい部分も見たかった。 ラストは「ジャイアント・ロボ」へのオマージュなのかしら?


【マクタロウ】
なんと言いましょうか、「悪くはない」いや「良くはない」作品でした。
オープニング、戦時中の白黒画像から金田家の暮らし、正太郎の学校での位置づけ(転校生でいじめられっ子)そしてブラックオックスの東京タワー破壊、なかなか良いんですよ。
再び現れたブラックオックスと鉄人の丸の内での戦い、国会議事堂に投げつけられる鉄人、と、このあたりまではノリノリで観ていた。
特に特撮。CGで描かれたロボットは、アップになるとさすがに「絵」という感じがしてしまうが、実景にはめ込まれた引きの画では、存在感あり。破壊される自動車なども「うん、良くやっている」と(偉そうに)言えるくらい頑張っている。「ローレライ」の時とは逆に「CGだけでもこれくらい出来るじゃん」と感じた。
また、破壊されるビルの内部や、国会議事堂など最小限のミニチュアは組んであり、構図の取り方などは「平成ガメラ」の正当な後継者と言えるのではなかろうか。

しかし、ストーリーとキャラクターに関しては問題がある。
特にキャラクターだが、その中でも警察関係。柄本明演じる大塚署長(本作では課長だっけ)は服装、キャラクター共に浮きまくりで、シラケてしまう。原作をリスペクトするにしても、やり方を間違えるとダメという見本。
中澤祐子演じる刑事と相方(スーツにハンチングなんてかぶっちゃう)。ブラックオックスの操縦者を探し出すという刑事ドラマは無きに等しく、出てくる必要さえ無い。
蒼井優演じる天才少女。衣装が変。中澤同様、大きなお友達に媚びを売るためだけのキャスティングとしか思えない。こんな人物を出すなら敷島博士を出せば良いものを・・・。
正太郎を取り巻くドラマ(級友との関係、父母との関係)がリアル指向なだけに、上記の人物が浮きまくる。観ているこちらは居心地が悪くてたまらないのである。
制作者が目指しているものが「リアルなドラマ」なのか「コミックスの映像化」なのかはっきりしない、中途半端な印象だけが残った。
ストーリーは「正太郎の成長」を軸にして無難なのだけど、ロボット同士の戦いが「殴り合い」だけってのは変化に乏しく飽きる。両者とも飛べるのだから、空中戦ぐらいやってくれても良いのに。
また、オックスの出現場所が、東京タワーから丸の内、最後の戦いが湾岸、と都心から離れていくのはガッカリ。
どうしてラストに向かって見せ場が縮小していくんだろうなあ?

特撮そのものは悪くないのに、残念な1本でありました。



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■2005. 3月
 ローレライ/ ロング・エンゲージメント/ ナショナル・トレジャー/ アビエイター/

アビエイター2005.3.27.(Sun.) 

■すべての夢をつかんだ時、いったい何が見えるのだろう。

[監]マーチン・スコセッシ
[総][出]レオナルド・ディカプリオ
[製]マイケル・マンほか
[出]ケイト・ブランシェット ケイト・ベッキンセール アレック・ボールドウィン
[制作データ] 2004米/松竹=ヘラルド [上映時間] 169分
■「アビエイター」公式サイト

【マクノスケ】
まずはデカプー(ファンの方すみません)なかなか健闘しております。 でも、やっぱりこの役には、童顔が災いして損をしているかも。 「キャッチ・ミー」といい、壊れいく役はこの辺で終わりにして、エキセントリックでない…もう少し自然体な演技を見てみたいなあと思ったりしました。

模型ファンのマクタロウは飛行機のシーンを堪能したようですが、私は、やっぱりキャサリン・ヘップバーンとヒューズの関係にちょっと萌えました。 お互いに惹かれ合った理由とかね。
映画はヒューズの奇行振りを思う存分描いているのですが、(弱い部分も)なんだか彼の行っちゃってるところが、逆に気持ちいいっていうか…自分のやりたいことは、他人からどう思われてもとことんやりまくらなくちゃいかんだろ…って気にさせられました。(笑)

それと、彼の自分の信念を貫く嘘のない姿がいいですよね。きっと何人かの人が思ったでしょうが、今の時期、ライブドアの堀江さんにダブるものがありました。まあ、あそこまで変人じゃないんでしょうが、なんだか周りの人間の彼に対する態度も似てるんですよねえ。

で、(不良)スタトレファン的に「おぉ!」と思ったのは、脚本が「ネメシス」のジョン・ローガンだったことと、データのブレント・スパイナーがちょい役(ロッキードの人)で出演していたこと!!デカプーと会話したりしてデータも出世したなあと感慨にふけっておりました。 また映画の冒頭に初日土日のみにつく「デカプーのメッセージ」も見ることができたのとデカプーのサイン入り生写真(もちろん複製だけど)が貰えてお得な気分になっちゃいました!


【マクタロウ】
大富豪にして映画監督、プロデューサー、航空会社の社長だったハワード・ヒューズ。
彼の人生で(多分)一番輝いていた1920年代から1940年代までを描いています。
あれだけ好き勝手に映画、航空機、女性を愛し続けながらも、会社は何とか運営できているというのは、やはり才覚もあっただろうし、良いスタッフにも恵まれていたのだろう。
そのためにはハワード・ヒューズ本人にカリスマ性もあったのではないかと思うのだが、映画ではそのあたりが弱い気がした。
ディカプリオはなかなかの熱演で良かったのだが、やはり彼の顔立ちはヒューズ役には若すぎたのではなかろうか。
そろそろ「苦悩する青年」の役から脱して欲しいと思うのは私だけ?

終盤、ライバル(パンナム)の圧力を受けるヒューズのTWA。この図式は「タッカーのようだ」と思ったら、すっかり忘れていたのだが、タッカーにハワード・ヒューズが出ていましたね。

ヒューズを陥れるための公聴会の映像と、彼が造った巨大な飛行艇スプルース・グース(ハーキュリーズだ!!)の初飛行が交互に映し出され、勝利と成功をおさめるシーンは感動的であった。
伝記映画というのは得てして「こんな人がおりましたとさ」で終わってしまうもので、本作もやはりその感はぬぐえなかった。人物の内面に、あと一歩踏み込めていれば、もっと感動的な作品になったのではないだろうか。

航空機ファンとしての感想
序盤がいきなり「地獄の天使」撮影中で、フォッカーD.VII、SE5a、ニューポール28などが拝める。
飛行シーンはほとんどCGによるもの。空中撮影での航空機乱舞は、ちょっとやりすぎかな。
度々挿入される「地獄の天使」の映像は、本編を観ていないだけに嬉しかった。
キャサリン・ヘプバーンとのデート飛行をする飛行艇(シコルスキー?)、夜景も綺麗で良い。あんな飛行艇、欲しい。
スピード記録を目指すH−1。レプリカとCGで迫力ある映像になっています。
XF−11。P−38をよりスマートにしたような双胴、二重反転プロペラ機。カッコイイ。墜落シーンはド迫力。音響の良い映画館で観る事をオススメします。
スプレース・グース(ハーキュリーズだ!!)。実際のニュース映像(運搬中)とCGによる飛行シーン。上記のように感動的なシーンになっていました。
これだけのシーンを大画面で観られるだけでも、映画館に足を運ぶのも悪くないかと。



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ナショナル・トレジャー2005.3.21.(Mon.) 

■その封印を解く最初の鍵は、 アメリカ独立宣言書にあった…

[監][製]ジョン・タートルトーブ
[製]ジェリー・ブラッカイマー
[出]ニコラス・ケイジ ダイアン・クルーガー ショーン・ビーン ジャスティン・バーサ
[制作データ] 2004米/ブエナ・ビスタ [上映時間] 131分
■「ナショナル・トレジャー」公式サイト

【マクノスケ】
私としてはズバリ! ショーン・ビーン見たさに行ったわけなんですが(←わかりやすいね。こりゃ!)、 まあ、出来ればおもしろければ拾いもの…と思っていたら甘かった!!(笑)

ど〜も主人公が良い子ちゃん過ぎてよろしくない! 冒頭、独立宣言書を盗む盗まないのくだり…そんなに一族生涯を掛けて探して来た手掛かりだったら、私だったら盗むよ!ケイジくん、トレジャー・ハンターの意地ってのがないのかなあ。

最後も政府に寄付って…。 いや、そりゃあそうするしかないのかもしれないし、 わかってますよ。 彼が手にした本当の宝は金銀、財宝じゃなくて、そこまでのプロセスとそれを支えた仲間との愛と友情、父ちゃんとのわだかまりも消えたことに意義があったのだってことは。

でもなあ。なんだかケイジくんを盗人にしたくない(結局盗んじゃってるけど!)、秘密を解き明かして政府に尽くした正義の人にしたいって作為が見てとれて、それが、いかにもディズニー的だなあと思っちゃった私は、もうダークサイドに転落しちゃってるかしら?

それに全体的に見てもテンポが良いと言えば良いんだけど、あまりにもなんでも上手く行き過ぎという感じだったかなあ。 それを言うと、そもそもあの船にどうやって辿り着いたのか?あの船に辿り着けなかったから、ご先祖は宝を見つけることが出来なかったってこと?
まあ、ケイジくんのパートナー、ライリーが「ヴァン・ヘルシング」のカールのような愛嬌たっぷりのキャラで楽しませて貰ったのと、ショーン・ビーンの出番が思った以上に多かったからそれはそれで楽しめたかな〜。 (ショーン・ビーンも、小悪党といった感じで、いまひとつ「パトリオット・ゲーム」のような激しさがないのが残念!)

あとは…販促用のチラシだったかな。 ブラッカイマーさんが、うちの企画の方が「ダヴィンチ・コード」より先だったって言ってましたが、それは本当なんでしょうか? あまりにもキーワードが重なっているような気がします。もしかして先に映画化した者勝ちってことなのかなあ?


【マクタロウ】
まあね、ファミリー・ムービーだと割り切って観れば(ディズニーだし)良いのかもしれないけどね、やっぱり中身が無さすぎるもんで映画館を出たら何も残らない作品でしたね。
次々に出てくる謎は天才主人公(ニコラス・ケイジ)がパッパと解いていく(今まで何年間も、何してたの?)し、悪役(ショーン・ビーン)との追っかけも、ハラハラしないんだよね。
そもそも、ケイジ対ビーンの図式を作るきっかけが
ビーン「独立宣言書を盗もう」
ケイジ「それ(泥棒)はできない」
んで仲間割れってあんた、一族の汚名返上まで考えているトレジャー・ハンターが、その程度の意気込みかよ!!
更に「悪モンに盗られちゃまずいんで、私が盗みましょう」って言い訳しながら、結局泥棒。
そんなことなら独立宣言書を盗み出してから仲間割れにした方がスッキリしていると思うのだけどなあ。

ファミリー・ムービーにしたが為に、主人公はいいこちゃん、悪役も残忍にはなれず、毒にも薬にもならない作品になってしまった。いっそのことコメディー仕立てにしたら良かったのに。



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ロング・エンゲージメント2005.319.(Sat.) 

■予感を信じる

[監][案]ジャン=ピエール・ジュネ
[原]セバスチャン・ジャプリゾ
[出]オドレイ・トトゥ ギャスパー・ウリエル マリオン・コティヤール ドミニク・ピノン
[制作データ] 2004仏/ワーナー [上映時間] 133分・R-15
■「ロング・エンゲージメント」公式サイト

【マクノスケ】
「ロング・エンゲージメント」は「アメリ」のジャン=ピエール・ジェネ監督が「アメリ」(未見!)で主役を演じたオドレイ・トトゥを主人公に第1次世界大戦のフランスを舞台に描くミステリー仕立ての大純愛映画。

とにかく最初から最後までジェネ監督の映像表現にうっとりしっぱなしの133分でした。 衣装、ヘアスタイル、小道具、構図、セット、アングルと細部までこだわり抜いた画面作りには脱帽と言った感じです。 それにあの色彩感覚と画面処理のセンスは、やっぱり他の追随を許さないですよねえ。
オドレイ・トトゥの眉毛は怖かったけど(笑)、願掛け不思議少女振りが大変楽しく、映画全体に描かれるブラックな笑いと小粋なセリフ、エロティックな描写の配分が絶妙!!
でも…話が謎解き形式になっていて、話が前後する上に登場人物が多いので、最初から人の名前と顔をしっかり覚えながら見ていかないと、途中、誰が何をしたのか頭の中でこんがらがっちゃって「はてな」状態になってしまうのが難と言えば難。
だけど、まあ大筋にはなんとか着いて行けたので最後まで楽しむことが出来ました。
いやあ〜だけど、時間も時間なんでしょうけれど、観客が私たちを含め4人(もう2人はカップル)だったのには寂しいものを感じました。
もっとヒットしてもいい映画だと思うんですけれど…。


【マクタロウ】
「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」と、独自な映像が素晴らしいジャン=ピエール・ジュネ監督の新作。
物語の背景に第一次大戦があり、予告で塹壕戦の映像も見えたので、そのあたりも楽しみな作品だった。

冒頭から板に釘付けされた腕が映し出されて驚くが、カメラがパンダウンしていくと、その腕は破壊されたキリスト像のものだということがわかる。
「エイリアン4」でがっかり(ハリウッドは多くの作家をダメにするね)、「アメリ」は観ていなかったので、このカットでジュネ監督の健在ぶりがわかり嬉しくなった。

物語は戦死したと聞かされている恋人、マレクの無事を信じて生存者を探しだし、証言を聞き出していくマチルドを追って進む。この、調査(戦後)と証言(戦中)の映像の対比が素晴らしい。
戦後の映像はセピア調でややコミカル。マチルドの伯父(常連ドミニク・ピノン!!)とその妻、郵便屋さんなど、さりげないセリフや仕草で笑わせてくれた。
度々マチルドは「○○だったらマレクは生きている」と願掛けをするのだが、その結果がいつも微妙(かなったような、そうでないよう)な感じなのも面白い。
しかしその願掛けも、マレクの出征時にかなっていなかったことがわかり、観客に不安を与えるうまい展開。
一転して戦場は冷たく湿った映像、凄まじい戦闘シーンが繰り広げられる。下手な戦争映画より迫力があり、それだけでもこの作品を観る価値があったと感じた(更にミリタリーファンならば、1カットだけ写るルノーFTにささやかな喜びを感じるだろう)。

全体を通して、登場人物が多く名前を覚えられなくて(ストーリーはわかるので、途中から覚えるのを放棄した)、人物の相関図が描けなかったのは残念。もう一度じっくり観たいものである(DVDは買いってことか)。

P.S
マチルドが訪ねていく市場のニンジン売り、「おお、脇役なのに綺麗な人だな」とよくよく見たらジョディー・フォスターじゃあ〜りませんか。これもちょっと嬉しかったね。



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ローレライ2005.319.(Sat.) 

■祖国を守るため、彼女を守るしかなかった…

[監]樋口真嗣
[原]福井晴敏
[製]亀山千広
[脚]鈴木智
[歌]ヘイリー
[出]役所広司 妻夫木聡 堤真一 柳葉敏郎 香椎由宇 石黒賢 小野武彦 佐藤隆太 ピエール瀧 橋爪功 國村隼
[制作データ] 2004東宝 [上映時間] 128分
■「ローレライ」公式サイト

【マクノスケ】
「ローレライ」は「ガメラ」の特技監督樋口真嗣の初監督作品ということでSFアクション好きとしては、それなりに楽しみにしていたんですが、悪くはないけど今ひとつと言った印象。
私としてはヒロインのパウラの能力が発揮されるシーンを期待していたんですが、そう言ったおたくが喜びそうなシーンは全くなかったのが残念。

監督としては一般ウケする「戦争映画」として作ったのかもしれないけれど、せっかくのネタが生きていないような気がしました。それと彼女が乗組員と打ち解けて行く様子がもっと挿入されていた方良かったんじゃないかなあ。
それとも思い切って妻夫木くんを主人公にして、もっと特効の立場とかパウラとの交流を描いた方がおもしろいものになったんじゃないかと思います。
音楽は(佐藤直紀さん)は、鳴らし過ぎだったかな。 もっと違う人が担当していたら映画の印象も変わっていたのかもしれません。


【マクタロウ】
平成ガメラシリーズで私を興奮させてくれた樋口真嗣特技監督、初の本編監督作品。
どうしても「あの」樋口監督が、どのような映像を見せてくれるのかと期待してしまうが人情というもの。さて、その映像がどうだったかと言うと・・・。
まずは特撮シーンについてだが、どうしてあんなに質感も重量感もない映像になってしまうのだろう。
動きも、海上を滑るように進む「伊−507」にはがっかりしたし、アメリカ駆逐艦との戦いも、燃えるようなカットはない。
離陸前のB−29を正面から捉えたカットは良い感じだったが、これだけでは「まだまだ日本のCGは使い物にならないのでは」と言いたくなる(水中のシーンは暗いこともあり、あまり気にならないのだが)。

ストーリーは、事前に「超能力少女」が絡むことを知っていたので、驚くこともなく観られた。
登場人物のセリフやテーマは、重いことを語っているのに、その「重さ」が伝わってこないのは役者のせいだけでもないだろう。やはり演出が重要であり、本作のような密室劇は樋口監督には早すぎたのではなかろうか。
「俺たち大人が勝手に始めた戦争で、これ以上お前達子供を犠牲に出来ない」という艦長(役所)の言葉で、「伊−507」から切り離される「N式潜行艇」の姿が、へその尾を付けた赤ん坊のように見え, 象徴的だった。
この作品中最も良かったシーンかもしれない。



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■2005. 1月
 エイリアンVSプレデター/

エイリアンVSプレデター2005.1.4.(Tue.) 

■どちらが勝っても…人類に未来はない。

[監][案][脚]ポール・W・S・アンダーソン
[総]ウィック・ゴッドフリーほか
[出]サナ・レイサン ラウル・ボバ ランス・ヘンリクセン ユエン・ブレンナー コリン・サーモン
[制作データ] 2004米/FOX [上映時間] 100分
■「エイリアンVSプレデター」公式サイト

【マクノスケ】
今年最初の映画だったわけなんですが、見終わったあと「はっぴー」になれたんで、まあ良かったかなあと。(笑)
もっとB級かなとも思っていたんですが、なかなかどうして、それなりにまとまっていておもしろかったです。

そもそも、なんでプレデターがエイリアンと戦ってんだーというと、100年に1度の成人の儀式だったんですね〜。(笑)100年に1度、地球に眠らせていたクィーンエイリアンを覚醒させて卵を産ませ、生け贄の人間に寄生させ、成体になったエイリアンと選ばれた勇者が激突!…それに勝利したものだけが成人として認められるちゅー設定だったみたいなんです。
で更にスゴイのは、実は彼らが太古の地球に降り立ち、人類に文明をもたらしたっていう設定。 人々は彼らを神として崇めていたらしんですが、たま〜にエイリアンに敗れちゃうと、その文明ごと大量発生したエイリアンをビビ〜〜ッとビームで消滅。(そうか!だからアトランティスとかムーは忽然と姿を消しちゃったんだ〜!)また次の文明を築いたんだそう。
プレデターが神?人の星で何してんの?よそ行ってやれ〜!
…などと、ツッコミながらも、ランス・ヘンリクセンの例のナイフのわざのルーツにニヤリ。 後半のおねーちゃんとの展開もこういうの見たかったんだよ〜ってなノリで楽しめました。 途中、英語がわからないプレデターくんが「コレ、爆発ネ」って自爆装置をジェスチャーで説明するシーン、あまりにも人間っぽくてねえ。笑っちゃいました。
でも、ラストのバトルシーンは萌えたかなあ。 プレデターくんが、ジャンプしてエイリアンにアタックするシーンとか、クィーンエイリアンが倒れて捕鯨小屋が崩れるシーンとか、かっちょ良かった!!
お正月だし、こういうのもたまにはいいもんですネ!


【マクタロウ】
新年の映画始め、な〜んにも考えずに観られる作品ということで「エイリアンVSプレデター」を選択(「ゴジラ」を観たがるかみさんを説得)しました。

面白かったんですが、せっかく良いキャラクターを登場させているのに、大した活躍もせずに死んでいってしまうのはちょっと残念(髪の短いキツめのお姉さんとか、考古学者の相棒など)。時間が無いってのは、わかっていますけどね。
エイリアンとプレデターのガチンコシーンは、アップが多くて(最近のアクション映画にありがちだ)何がどうなっているのか分からんのは困る。
格好いいカットもあり(エイリアンクイーンが小屋に倒れ込む「怪獣映画」カットや、プレデターがジャンプしてクイーンにヤリを突き刺すカットなど)全体的には好感が持てたのだけどね。
まあ、予想通りの出来で納得の一本でした。

P.S.
プレデターと主役のお姉さんが共同戦線を張るあたりは微笑ましかったね。プレデター、良いヤツじゃん。



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