「Q.E.D. 〜斯くの如くして先の命題を……〜」 作・み〜め
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尚、この証明には、2つの補足がある…
補足1
無くなったことに気づいた時が、ゲームの始まりだった。
「返していただきますわよ。」
女王が言った。
「……はいはい……見付からない筈だったんだがなあ……」
泥の惑星から発見された謎のカプセルを手にして、プレビオスが、ぼやく。
暫し真顔で睨み合うが、その緊張も長くは続かない。お互いに笑い出してしまう。
パチリと小さな音がして、100年ぶりに箱の蓋が開いた。
「……サイズの変更は、ございませんか?デザイア姫……」
「失礼ね!貴方こそ大丈夫?プレビオス。私が変わったのは、貴方への想いだけですよ。」
「ああ、そのようだ。俺も……変わったよ。
100年前より……もっと……君の事が好きなんだ。」
日の光を受けて、箱の中に並ぶ二つの指輪が、誇らしげにキラキラと輝いた。
ゲームのクリアは、100年かけて為されたのである。
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